March, 19, 2021, Harvard--国立眼病研究所(NEI)は、眼の背後、光受容体として知られる感光性細胞を以前よりも詳細に、侵襲的に視覚化した。Opticaでは、研究チームは、眼のイメージングで使用する光を選択的に1/3に阻止することでイメージング分解能を改善する方法を説明している。NEIは、国立衛生研究所(NIH)の一部である。
その成果は、網膜組織における細胞変化をモニタするために進化する戦略の最新のものであり、これは65歳以上の人々の失明の主因である加齢黄斑変性症などの病気による失明の処置、防止をする新しい方法の特定に役立つ。
「よりすぐれたイメージング分解能により、網膜組織に起こる変成変化の追跡向上が可能になる。われわれの研究の目標は、細胞レベルで病気に関連する変化を時間とともに識別することである。できれば病気を早期に発見することである」と研究の主任研究者、NEIの臨床とトランスフォーメーショナルイメージングユニット、Ph.D. Stadtman Investigator、Johnny Tamは説明している。
早期の発見により、視力を失う前、早い段階で患者の処置ができる。さらに、細胞の変化の検出により医者は、新しい治療が有効かどうかをより迅速に判断できる。
2タイプの光受容体、錐状体は色視覚、桿状体は微光視覚を可能にするが、これらは網膜でサイズと密度が変化する。錐状体光受容体は、桿状体よりも大きいが、網膜中心窩に密集しているので、視覚化には手際を要する。網膜中心窩は、視力と色識別の最高レベルに関与する網膜の領域。錐状体と桿状体の全景は、光受容体モザイクと言われている。
先進的イメージングシステムが、網膜組織の観察に広く利用されており、網膜疾患の診断と研究の重要なツールである。しかし、デフォーマブルミラーとコンピュータを駆使したアルゴリズムを利用して光の歪を補償する技術、補償光学網膜イメージングでさえ、光受容体モザイクには、まだイメージングが難しい箇所がある、と論文の筆頭著者、Rongwen Lu、Ph.Dは指摘する。同氏は、NEIのポスドクフェロー。
「桿状体は非常に小さいので、イメージングが難しいことがある。システムの光の一部を除去することで、桿状体を実際に見ることが容易になる。したがって、この場合、少ない方が効果が高いのだ(less is more)」とLuはコメントしている。
最新の報告では、NEIのTamのチームは、スタンフォードの研究者の助けを借りて、網膜を見るために、戦略的に光の一部をブロックすることで補償光学網膜イメージングの解像度向上を探求した。
ビームの中心で眼を照射する光をブロックすることでリング状の光を作り(ディスクではなく)、NEI主導のチームは、横方向の分解能(モザイク横断)を改善した。しかし、それは軸方向の分解能(モザイクの深さ)を犠牲にした。補償するために、Tamのチームは、sub-Airy diskと言う、超微小ピンホールを利用して、眼からの戻り光をブロックした。これにより、リング状の光だけを使っていては失われたであろう軸方向の分解能を回復する。
Tamによると、リング照射とsub-Airy diskを組み合わせたイメージングは、両方のベストの結果となる。微調整技術により、分解能は約33%向上し、これにより桿状体も、錐体の細胞内の細部も非常によく見えるようになる。
その技術は、非共焦点スプリットディテクションという別の技術による受容体モザイク視覚化も強化する。これは、光状態モザイクを補完的に見る別のタイプの顕微鏡である。
(詳細は、https://www.nei.nih.gov)