January, 8, 2021, Seoul--新技術は、20分以下で感染を正確に診断できる。ゼロ擬陽性、ゼロ擬陰性である。
“nanoPCR”技術は、COVID-19のPOC診断のために開発された。この新技術は、20分以内に感染を診断できる。同時に、従来の逆転写ポリメラーゼ反応法(RT-PCR)の正確さは維持される。
基礎科学研究所(IBS)の研究チームが、新しいnanoPCR技術を開発した。これは、COVID-19の非集中、PCR診断に利用できる技術である。同技術は、標準診断法RT-PCRと同じ基礎原理を使い、ウイルスRNAを検出するが、特徴は、ハイブリッドナノ材料と、可搬小型化形状を利用した大幅なスピード改善である。
COVID-19のゴールドスタンダードテスト法は、RT-PCRである。これは、検出のためにRNA遺伝子を補完DNAsに変更後、DNAを増幅するテスト。RT-PCRは、高精度であるが、大型設備を備えた中央ファシリティでウイルスを検出するには1~2時間かかる。サンプリングするサイトからテストファシリティまでのコールドチェーン輸送プロセスにより、従来のRT-PCR診断は、さらに遅くなり、結果が患者に届くまでに1~2日かかる。
既存診断法の限界を克服するために研究チームは、磁気プラズマナノ粒子(MPN)を利用した。これは、その中核の磁性物質とプラズモン効果を示すゴールドシェルで構成されている。MPNsをPCRに適用することで、チームは、高い検出精度を維持しながらRT-PCRのスピードを大幅に改善する“nanoPCR”を開発した。MPNのプラズモン特性は、光エネルギーを熱エネルギーに変換する能力であり、これを使うことで、RT-PCRの熱サイクリングステップを1~2時間から、11分以内に短縮できた。加えて、MPNの強力な磁気特性により、外部磁場が、MPNsをPCRソリューションから解放し、増幅された遺伝子の蛍光検出を可能にする。nanoPCRは、小量の遺伝子(~3.2 copies/µl)さえも正確に検出できる。高感度と特異性の遺伝材料の増幅と検出を同時にできる。
研究チームは、患者検体テストにより、臨床設定でnanoPCRをテストした。実施したのは、CHOI Hyun教授-Jungのチーム。テスト中、COVID-19感染あり、またはなしの150被験者は、この技術を使って正確に診断された(75陽性、75陰性サンプル、擬陰性と擬陽性はゼロ)。感度と特異性レベルは、従来のRT-PCRのもの(~99%)と同等であることが確認された。高い信頼性に加えて、診断プロセス全体が著しく高速だった。一つの検体で診断は平均して約17分だった。
さらに、研究者は、同時に多サンプルをロードするフェリスホイールシステムを適用することで分析スループット改善の可能性を示した。これにより、多数の患者からの多くのサンプルの同時テストが可能になる。重要なことは、nanoPCR装置が非常にコンパクトでサイズ(15 × 15 × 18cm)、重量(3kg)であり、ポータブルであること。この全てが、POC診断で迅速、非集中患者テストに道を開く。
(詳細は、https://www.ibs.re.kr)