May, 22, 2020, Jena--光薬理学では、薬剤の効果を切り替えるために光の利用を研究している。今回、初めてイェーナ、ミュンヒェン、ニューヨークの化学チームが,以前には考えられなかった細胞成分の制御にこの方法を利用することに成功した。
どこにでもあり、現在は選択的に制御
Friedrich Schiller University Jenaの有機化学研究者Hans-Dieter Arndt教授は「これまで、アクチンをターゲットにするために利用できる薬剤はなかった。そのタンパク質は,身体のどこにでもあり、例えば筋肉には大量に見つかる。そのような物質は、標的とされる効果はほとんどない。しかし、われわれの新しい化合物は、細胞が適切な光を受けるところでだけアクチンの活性を引き出す」と説明している。アクチンは、細胞構造、より正確には細胞構造の重要構成要素であるので、個々の細胞は10µmまでの正確さで選択的に操作できる。この技術は、選択した細胞の運動の制御にも利用できる。Arndtの国際研究チームは、これをJournal of the American Chemical Societyで報告した。
紫光がスイッチを入れ、緑光がスイッチを切る
研究では、グループは、自然形態で有機体の非常に動的なアクチン細胞骨格を固化させる天然物質の変形を合成した。研究室の変形では、その分子をさらに発展させ、紫の光を当てるとその構造が変化するようにした。これは、この分子を安定化する効果を高める。一定時間後、あるいは緑の光を入れると、その構造は不活性な基本形態に戻り、自然な動力学が回復される。この物質、Optojaspがラボ実験で細胞に吸収された後、個々の細胞の実行可能性と運動性、細胞骨格のコミュニケーションを特に制御するために光を使うことができる。
将来のアプリケーションを見越してArndtは、「この方法を使って、将来的に眼や皮膚、簡単に光を露光できる器官の病気の治療ができる。この技術は、神経再生領域でも関心がある。ここでの目的は、他に優先してある神経細胞の成長を促進することである」と話している。同氏は、その方法を非常に動的な免疫細胞に適用する可能性も考えている。
「特に、これは生物学の新規の、すばらしいツールになると考えている。これらの分子は、感光性タンパク質の助けを借りるよりも生命システムの研究を容易にする。遺伝子工学で導入される可能性がある。Optojaspで、アクチン動力学の影響を直接研究できる、必要なものはその合成物、それに光照射だけだ」とイェーナの研究者は話している。
その方法が機能することが示されたので、研究チームはこれらの分子のさらなる最適化を進め、さらに詳細に研究することに取り組んでいる。
(詳細は、https://www.uni-jena.de/)