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緑内障患者の血流を解析する新技術

May, 22, 2014, Vienna--網膜の血流と緑内障の進展との関係が初めて正確に計測できるようになる。
 これはすでに確立された計測法、OCTの開発をさらに進めることによって可能になった。OCTは網膜の視覚的評価を可能にし、重要な診断ツールになっている。しかし網膜機能についての情報はOCTからは得られない。FWF(オーストリア科学基金)の支援を受けてウィーン医科大学の研究チームは、この技術の重要な改善に成功し、網膜の血流計測に使用できるようにした。緑内障の進行の中でこの情報の価値は、現在、比較研究によって認められつつある。
 われわれの目は時々、大きな圧力を受けることがあり、結果的に大きな損傷を被る。特に、網膜の神経細胞は、眼圧増加(緑内障)の影響を受ける。これが視神経頭で回復不能の損傷になり、視神経の破壊、視野欠損につながる。しかし、眼圧の増加は潜在的に網膜組織への血流減少の原因ともなり得る。このメカニズムがどの程度神経細胞の死に関与しているかが議論されている。眼圧増加が主因とは認められているが、網膜血流も要因になり得るとの指摘が増えている。信頼できる計測法がないために、今日まで網膜の血流を調べることができなかった。ウィーン医科大学(MUW)の研究チームは、オーストリアの科学ファンドFWFのサポートを受けて、この状況を変え、緑内障における血管性因子の役割を確定する研究を始めた。
 計測技術はLeopold Schmetterer教授の研究チームが最適化したもので、FDODT(フーリエドメイン光ドップラートモグラフィ)と呼ばれている。この技術は、網膜の断面画像を記録できることに加えて、血流量を量ることもできる。研究チームがさらに改善を進めたことで、今では網膜の絶対血流を記録し、緑内障への影響について情報を提供できるようになっている。
 この技術は、80人を超える参加者で比較研究の一環として厳しい評価を受けている。テストの一部では、緑内障患者の網膜の血流は健康な対照被検者の血流と比較されている。緑内障の他の側面も調べられており、「緑内障では、視神経乳頭における血流の自動調整が欠けているかどうかも分析している」と同教授は話している。網膜の血管は血流を自動調整できる。これによって、血圧が下がった時でも、網膜細胞への酸素の供給が変わらないことが保証される。以前は、緑内障患者でこの自動調整が欠けているかどうかを立証することができなかったが、同教授による技術的に進歩で、これが変わった。
(詳細は、www.fwf.ac.at)