October, 31, 2019, Moscow--カーネギーメロン大学とBenaroya Research Instituteの研究チームは、ナノスケールイメージンク技術と拡張現実(VR)を組合せ、研究者が生物学的データに「踏み込む」ことができる方法を実現しようとしている。
いわゆる拡張顕微鏡と仮想現実(VR)を組合せることで研究者は、従来の光学顕微鏡の能力を遙かに超えて細胞構造を拡大、探求、分析できる。
この技術の開発は、Bill & Melinda Gates Foundation主導、Grand Challengesによる20万ドル、二段階プロセス助成で、研究者の感染症と自己免疫病理解を促進し、病気診断と保護および処置法の開発能力を強化する。
カーネギーメロン大学科学部生物科学准教授、Yongxin Zhao, PhDは、生検を物理的に拡大するために拡張顕微鏡技術を開発してきた。これにより研究者は、標準顕微鏡で生体試料の細部を見ることができる。
同氏は、生検サンプルを化学的に水溶性ハイドロゲルに変えることで、サイズを拡大する。次に、組織を緩め、体積を100倍以上に拡大する処置を適用。サンプル内の組織と分子は、ラベル付けされ、撮像され、複合的データにまとめられる。これは、細胞および構造間の相互作用を調べるためである。
しかし、その技術の限界は、現在の技術が解明できるよりも2~3ケタ多いデータを抽出することである。その問題の解決に一役買うために、Gates Foundation助成金は、拡張顕微鏡と、Virginia MasonのBenaroya Research Institute(BRI)で開発された仮想現実(VR)技術を組み合わせる。
その目的のために特別に開発されたVR技術により研究者は、元の2D拡張顕微鏡画像を3Dで見て操作することができるようになり、組織のたんぱく質有機体と相互作用を360°で見ることができる。
「BRIでは、感染症や自己免疫の生きたサンプルを用意する」とポスドク研究助手、Caroline Stefaniは話している。「われわれは、それらをカーネギーメロン大学に送り、そこでサンプルを拡大し、VRで見るために、画像をBRIに送り返す」。
「これは、研究者による複雑なデータの取扱方の未来である。それは没入型体験であり、まさにデータ内部に座っているかのようである。あらゆる角度、あらゆる点から自由にデータを探究することができる」とZhaoは話している。
そのVR技術は、BRIの前研究技術ディレクタ、Tom Skillmanが開発した。同氏は、それ以来、Emmersive ScienceというVR企業を設立した。
「この助成におけるわたしの役割は、ソフトウエアツールの開発である。病気を調べている研究者が、没入科学という計算技術により膨大なデータを理解する方法を可能にするものである。その全データをVRに持ち込むことによって研究者は、2D顕微画像をフル3Dで見ることができるだけでなく、そのデータと情報のやりとりをし、チャネルを選択し、視野、色、コントラストを調整し、画像を捉え、回転させて、研究中の病気に結び付けられているその画像の重要側面を素早く特定することができる」とSkillmanは説明している。
究極目標は、ExMicroVRと言うVRツールを拡張顕微鏡とともに他の研究者とオープンプラットフォームで共有することである。目的は、他の研究者も病気のプロセスの新たな細部を見て、より大きな、一段と複雑なデータを理解できるようになることである。
拡張顕微鏡のデータをVR 3D画像に変換するシステムは、利用できるになり、発展途上国の研究者や医師が容易にアクセスできるようになる。また、6名の人々が共同して、同時に遠隔から同じサンプルを見ることができるようになる。
(詳細は、https://www.benaroyaresearch.org)