September, 13, 2019, Houston--ライス大学の研究者によって細胞の温度計測が可能になった。ここでは、蛍光ナノ温度計を作るために特別な分子の発光特性を利用した。
ライス研究所化学者、Angel Martíは、Physical Chemistry B論文でその技術を報告している。論文は、細胞内の温度を明らかにするためにホウ素シピロメテン(BODIPY)として知られる生体適合分子ローターの改良法を説明している。
その分子は、そのタスクに最適である。その蛍光は、細胞内でほんのわずかな時間だけ持続する。また、持続時間は、その環境の温度と粘性の両方の変化に強く依存する。しかし、高い粘度では、一般的な細胞の環境では、その蛍光寿命は温度だけに依存する。
つまり、特定の温度で、光は特定の速度で消える、また蛍光寿命イメージング顕微鏡でそれを見ることができる。
その技術はローターに依存している。研究チームは、ロータが、フル回転ではなく、時計のフライホイールのように前後に動くように制限した。
「われわれが計測するのは、その分子が励起状態にとどまる長さである、それが揺れる速さに依存する。温度が上昇すると、それが揺れるスピードは速くなり、それが励起状態にとどまる時間が短くなる」とMartiは説明している。
同氏によると、その効果は、都合のいいことに、細胞内のBODIPY分子の濃度にも光退色にも依存しない。光退色は分子の蛍光機能が破壊される点である。
「その環境がすこし粘度が多いと、その分子の回転は遅くなる。それは、必ずしも冷たくなったり、熱くなったりすることを意味しない、その環境の粘性が多様であるというだけである。
このモータの回転を抑制すると、高い粘性では、内部クロック、つまりこの分子の寿命が完全に粘性から独立になることが分かった。これは、この種のプローブでは、特に一般的なことではない」とMartiは話している。
同氏によると、その技術は、腫瘍アブレーションの治療効果定量化に役立つ。その場合、熱を使ってガン細胞を破壊するからである。あるいは単にガンの存在計測でも有用である。「ガン細胞は、他の細胞よりも高代謝であるので、発熱量が多くなるという意味である。われわれは、ガン細胞が生成する熱でガン細胞を特定できるか、正常細胞からそれらを区別できるかどうかを知りたいと考えている」と同氏はコメントしている。
(詳細は、https://news.rice.edu/)