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ナノスケール光操作を製造容易にするスティッカー

September, 5, 2019, West Lafayette--HIV、気道感染を起こすウイルスなど、人の病原菌は区別が難しい分子フィンガープリントを持っている。これらの病原菌の検出向上のために、診断ツールのセンサはナノスケールで光を操作する必要がある。
 しかし、センサに損傷を与えずにこれら光操作デバイスを製造する優れた方法がない。パデュー大学エンジニアは、スティッカーというソリューションを持っている。
 Nano Lettersに発表された論文では、チームは、3Dプラズモンナノアレイという光操作デバイスを剥離できるフィルムを組み込んだ。フィルムはどんな表面にも貼りつけ可能である。チームは、そのスティッカーナノアレイの機能を、従来のイメージングシステムを形成するセンサのレンズでテストした。
 この研究はAFRLがサポートしており、スティッカーのパフォーマンスと特性を評価した。
 「既存のどんなアプローチとも違い、プロセス全体は室温、蒸留水内で起こり、センサレンズのように高感度表面に損傷を与える化学的、熱的あるいは機械的処理は必要ない」とバイオメディカルエンジニア/機械工学准教授、Chi Hwan Leeは説明している。
 「ナノアレイをスティッカーに変えるために研究チームは、それらをシリコンウエハ上のフィルムに組み込んだ。蒸留水に沈められると、フィルムはウエハからきれいに剥がれ、ウエハは再利用可能になる。フィルムは、次に所望の表面に損傷を与えることなく貼りつけられる。
 「この方法により3Dプラズモンナノアレイは物理的にドナーウエハから分離され、別の表面に欠陥なしに移せるので、それは製造計画では大きなコストと時間の節約要因になる」とLeeは話している。
 研究チームは、そのプロセスが、横方向と垂直構成の両方で、さまざまなクラスの3Dプラズモンナノアレイで機能することを実証しており、より多くの機能を提供することができるとしている。
 Leeのラボは、このスティッカーナノアレイを生物学的センシングアプリケーション向けにさらに開発する計画である。例えば、臨床診断におけるタンパク質検出向けの開発である。研究室はすでに、薬剤輸送用のバイオパッチとして使える電子スティッカーを作製している。また、それらは普通の物体の無線ネットワーク接続を可能にし、「モノのインターネット」(IoT)を実現する。
 同方法は、すでに特許が成立している。
(詳細は、https://news.uns.purdue.edu)