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imec、医療イメージング用プラスチック基板のX線ディテクタ

April, 25, 2014, Eindhoven/Leuven--ホルストセンタ(Holst Centre)とimecの研究チームは、プラスチック基板に作製した史上初の、医療グレードのパフォーマンスを可能とするX線ディテクタを発表した。この概念実証デバイスは、医療レベルX線線量を用いて、高分解能、25fps動画像、200ppi、高コントラストを実証している。
 デジタルX線システムは、旧来のアナログシステムに対して数々の優位性がある。画像が速く利用でき、共有が簡単、少ない照射で画像が得られる。しかし今日のX線センサは、まだ大きなガラス基板で製造しており、このために重く、運ぶのが難しく、壊れやすい。
 2012年、研究チームは、世界で初めて薄いプラスチック基板で作製した完全X線ディテクタを実証した。間接フラットパネルディテクタ(FPD)、これは標準的なシンチレータと、新しい有機フォトダイオード(PD)層、有機薄膜トランジスタ(TFT)バックプレーンを組み合わせた。通常のアモルファスシリコンではなく、溶液から造る有機半導体を使うことで研究チームは、加工温度を下げてプラスチック膜基板に適合させた。また、高価なリソグラフィ工程も多数削除しており、製造コスト削減に道を開いた。
 今回、研究チームはデバイスパフォーマンスで大きなブレイクスルーを達成した。PDの漏れ電流を10000倍下げて、10-7mA/㎝2とし、医療用ディテクタの要求を十分満足するレベルを実現した。これはSNR改善であり、したがって低線量での画像品質も向上する。同時に、有機トランジスタの代わりにオキサイドトランジスタを採用。金属酸化物TFTの荷電キャリアの移動性は、アモルファスシリコンや有機トランジスタと比較して、10~50倍高く、高速画像取得が可能になっている。
 この開発成果は、高解像度200ppi、高開口QQVGA(160×120ピクセル)ディテクタプレートに集積された。