April, 23, 2014, Melbourne--モナッシュ大学電気・コンピュータシステム工学部(ECSE)の研究チームは、すべてカーボンでできる世界初のスペーサ(surface plasmon amplification by stimulated emission of radiation)モデルを作製した。
「スペーサ」の新しいバージョンが研究されているということは、携帯電話が衣服に印刷できるほどに非常に小さく効率的に柔軟になるということを意味している。
スペーサは事実上のナノスケールレーザ、ナノレーザである。自由電子の振動により光ビームを発振する。従来のレーザのように、大きなスペースを必要とする電磁波放出プロセスではない。
PhD学生、主任研究員、Chanaka Rupasinghe氏によると、カーボンを使ったモデルスペーサデザインには多くの優位点がある。
「これまでに設計された他のスペーサは金または銀のナノ粒子や半導体量子ドットでできているが、われわれのものはグラフェン共振器とカーボンナノチューブ利得素子でできている。カーボンを使うと言うことは、われわれのスペーサがよりロバストで柔軟であり、高温動作し、エコフレンドリであると言うことだ」。
同氏によると、これらの特徴により、将来的に極薄モバイルフォンを衣服に印刷できるようになる。
スペーサベースのデバイスは、現在のトランジスタベースのデバイス、マイクロプロセッサ、メモリ、ディスプレイなどの代替として使え、現在の微小化と帯域の限界を克服できる。
研究チームは、グラフェンとカーボンナノチューブを使ってスペーサを開発している。これらは鋼鉄よりも100倍強く、熱と電気の伝導性は銅よりも遙かに優れている。高熱にも耐えられる。
この研究で初めて、グラフェンとカーボンナノチューブが光で相互作用し、エネルギーを転送できることを示した。この光による相互作用は非常に高速でありエネルギー効率が優れているのでコンピュータチップのようなアプリケーションに適している。
Chanaka氏によると、高強度電界を生成したスペーサはナノスケール空間に集中する。ガン治療のようなアプリケーションでは、これらはレーザで金属ナノ粒子を照射することで生成するものよりも遙かに強力である。
「研究者たちはすでに、ナノ粒子を癌細胞近くまで導く方法を見つけている。われわれは、そう言う技術にしたがって、グラフェンやカーボンナノチューブを動かし、スペーシング(spasing)現象を通じて生成した強い電界集中を利用し、体内の健康な細胞を損傷することなく個々の癌細胞を破壊することができる」とChanaka氏は言っている。
(詳細は、monash.edu)