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3Dプリンターで溶ける医療インプラント作製

November, 19, 2018, Austin--ネブラスカ大学リンカーン校助教授Michael Sealyは、様々な患者や目的に調整できる溶ける医療インプラントを開発した。
 「永久的な金属インプラントの代わりに、時間とともに分解するものを利用する。インプラントを除去する二度目の手術という考えをなくしようではないか」と同氏は言う。
 多くの理由からそれは大きな挑戦である。しかし、同大学はネブラスカ工学部に、その挑戦にふさわしい技術を装備させた。多数の材料と製造プロセスを組み込める世界初の3Dプリンターであり、マグネシウムのような反応性金属もプリントできる。
 人体では、マグネシウムは、実際に骨の構造完全性維持に役立つ必須ミネラルである。しかし、それは体内に多く存在する酸素、水、塩に触れると劣化が速い。
 親密性と反応性のその組合せにより、マグネシウムは、溶けるネジ、プレート、他の医療インプランの第一候補となる。これを使うと、再手術や生涯続く痛みもなくなる。
 インプラントとして役立つ程度に長くマグネシウムを身体の厳しさに対して強化するために、Sealyは、アラバマ大学院生時代に、レーザ衝撃ピーニング技術で実験を始めた。
 レーザ衝撃ピーニングが役に立ち、マグネシウムは最初の腐食試験にもちこたえることができた。
 そのデータの有望性により国立科学財団の助成を獲得。これにより同氏は、身体の水性環境をシミュレートした液体中でマグネシウムの長期腐食試験を実施した。試験の結果、ネジはわずか一週間でその力の50%、二週間で80%を失った。マグネシウムパーツの表面だけのピーニングでは不十分であることが分かった。
 同氏は、このマグネシウムインプラントをプリントできる3D金属プリンターを利用することで、ある程度の線まで行く必要がある、と考えた。
 どんな3Dプリンターでも良いわけではない。
 ネブラスカ工学部は、3台の最先端3Dプリンターを購入する機会を同氏に提供した。
 それらのプリンターは、マグネシウムと反応する酸素、湿気、その他の不純物の全てを実質的に除去する。しかし、層ごとにコンポーネントを構築していくことになる。ノズルで粉末層をスプレイするか、レーザで溶ける前に粉末層をかき回す。これにより同氏の研究チームは、多数の材料を組み込み、複雑な内部構造を構築することができる。
「表面処理としてピーニングの代わりに、非常に多くの層をプリントし、それにハンマー処理をして、次にさらに数層をプリントし、それにハンマー処理をする。すると、これらデバイスの全体の腐食を制御できる。このアプローチは基本的に、独自の機械特性をプリントする方法である。従来の製法ではできなかったものである。
 われわれのプリンターの独自性は、われわれが、これらのハイブリッド、および反応性プリンティング能力を実際に統合した点にある。恐らく、これは世界で最も進んだハイブリッド積層造形ファシリティである」と同氏はコメントしている。
 それによってカスタマイズが思いのままにできるのでSealyは、多くの問いに答える実験を行っている。
 究極的に、プリント&ピーンアプローチは、体内で様々な速度で分解する同氏のマグネシウムインプラントを設計、構築に役立つ。鎖骨や膝のモデルは1年で分解するかも知れないし、別のものは3年あるいは5年で分解する。
 同氏によると、若ければ骨の再生が速いので、速く分解するインプラントが必要になる。75歳の骨粗鬆の女性なら、新しい骨組織の再生は速くない。すると、ゆっくりと分解するインプラントが必要になる。その製造法を調整することで、分解を速くも遅くもできる。
 合金の組成、あるいは表面コーティングを変えたりするのではなく、機械的手段で分解速度を調整すると、最終的に臨床試験やFDAの規制を通過する際の面倒が緩和される、と同氏は話している。