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OCTベースの新しいイメージングツール

October, 23, 2018, Washington--OCTベースの装置で、聴覚についての新たな知見が得られ、聴覚問題の診断と処置がわかる。
 Mass General Hospitalの研究チームは、聴原振動が耳の中をどのように伝わるかを視覚化するために使用できる新たなデバイスを開発した。その技術は、耳が音波をどのように受け取り処理するかについて新たな知見を提供する、またさらなる開発により、聴覚に影響を与える病気の診断に、いずれ医師が使えるようになる。
 新しいイメージングツールは、バイオメディカルイメージング技術、OCTベースである。OCTは、組織の微細構造の高解像度画像を提供できる。また、新しいツールは、傷のない鼓膜を通して中耳をイメージングし、聴覚に関わる耳の中の微小振動計測に使用できる。中耳小骨は、人の身体で最小の骨であり、鼓膜で受信した音波を、内耳で検出可能な機械的振動に変換する連鎖を形成する。
 Biomedical Optics Expressに発表された論文で研究チームは、OCT振動計と名付けられたツールの使い方を説明している。研究チームは、高周波音に対するチンチラの死体の小骨の反応の仕方について新発見を報告している。チンチラは、聴覚研究で一般に利用されている。その耳が、サイズ、さまざまな可聴周波数に関して人の耳に似ているからである。
 「高周波音がどのように内耳に伝わるかについては、多くの理論がある。また、音による耳小骨連鎖の大きな部分の動きを見る能力は、実際に起こることを理解するのに役立つ」とMass General Hospital、Wellman Center for PhotomedicineのチームリーダーSeok-Hyun Yunはコメントしている。
 開発がさらに進むと、その新技術は臨床に入ってくる。人の中耳伝音問題の存在を特定する方法は存在するが、正確な問題と場所の診断は、中耳を観察するために鼓膜を外科的に動かす必要がある。
 「われわれのアプローチが臨床的に採用されると、臨床医はさまざまな中耳問題を区別できるようになり、手術する代わりに、その領域を見るための治療法を計画できるようになる」とプロジェクトのコリーダー、John Rosowskiは話している。
 中耳で音による振動を計測するために研究者は、OCT計測システムと高忠実スピーカーからの音とを同期させた。スピーカーからの音が鼓膜を押し、骨が動き始め、OCTでイメージングする。研究チームは、OCT画像から振動の正確な計測を抽出するアルゴリズムを開発した。
 中耳を伝わる音の振動の以前の研究は一般に、骨の個別箇所の動きを計測した。つまり30以上の個別箇所の収集からのものである。OCTで利用できる、高解像度イメージングと高感度振動計測の独自の組合せにより研究チームは、耳小骨表面と鼓膜の10000点以上で構造と動きを同時計測できた。
 研究者は、チンチラ死体の音で動く鼓膜と中耳小骨を計測することで新しいOCT振動記録システムの能力を実証した。チームは、以前は知られていなかった高周波での中耳小骨の動作モードを観察した。これは、高周波音が内耳にどのうよ伝わるかを説明する理論の一部と一致する。
 「高周波での中耳小骨固有動作モードの証明は、骨がどのように音を内耳に伝えるかについての新しい考えを生み出している。そのような情報は、医者が病気の耳を元に戻すための新たな方法を決める際に役立つかも知れない」と論文の筆頭著者、Wellman CenterのAntoine Ramierはコメントしている。
 研究チームが死体を使った1つの理由は、計測の取得にほぼ60秒かかること、その間に生きた動物の呼吸や心臓の鼓動が動きの計測に不自然な結果をもたらすからである。
 研究チームの中には、、3~5点の動きの計測が、鼓膜全体と中耳の解剖学的OCTスキャンとを組み合わせた計測が、生存生物の耳の病気診断に十分な情報を与えるかどうかを研究している者もいる。
 研究チームは、開発した計測システムを使って人の死体から耳を研究する計画を立てている。チンチラに見つけた中耳小骨の新しい動作モードが人にも起こるかどうかを見つけ出すためである。今後の研究は、この新しいツールが、特別な病気、聴覚問題の診断など、特殊臨床的アプリケーションに適用できるかどうかをさらに調べていく。