September, 4, 2018, 東京--東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の野亦次郎助教と久堀徹教授は、蛍光タンパク質をベースとした新規酸素センサタンパク質「ANA (anaerobic/aerobic sensing fluorescence protein)センサ」の開発に成功した。
組織や細胞内の酸素濃度を調べるため、これまで世界中で様々な測定技術が開発されてきたが、細胞を侵襲する、あるいは大掛かりな測定装置が必要といった問題があり、生体内の酸素ダイナミクスの解明は大きく遅れていた。
この研究で開発したセンサタンパク質を利用すれば、タンパク質自身が発する蛍光を測定することで簡便で非侵襲的な酸素濃度のモニタリングが可能になる。研究成果は、これまで、ほとんど調べられていなかった生体内の酸素の動態の解明に貢献することが期待される。また、このセンサの作動原理である“蛍光の消光”を他の天然のセンサタンパク質に応用することで、新たなセンサタンパク質プローブ開発にもつながることが期待される。
この研究成果は、「Scientific Reports」に掲載された。
発表の要点
・蛍光タンパク質を利用した酸素センサの開発に成功
・蛍光の消光を作動原理にして酸素濃度を明らかに
・非侵襲で簡便に生体内の酸素環境を確認
(詳細は、https://www.titech.ac.jp/)