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3Dプリント外科用縫合針設計に独自のインスピレーション

April, 13, 2018, Philadelphia--テンプル大学機械工学准教授、Parsaoran HutapeaとPhD候補、Mohammad Sahlabadiは、3Dプリント外科用縫合針の新しいコンセプトを開発しているとき、独自の着想:ミツバチを見いだした。
 Hutapeaは「自然に注目すべきではないか、蚊、ミツバチ、カリバチなどに」とMohammadに言った。同氏は、3Dプリンティング技術を使って、2011年からDOD助成金を受けて外科用縫合針を開発している。「ミツバチを研究室に持ち込み、毒針を取り出して顕微鏡で調べた。ミツバチが人の皮膚を刺す方法は、われわれが開発しようとしているものにとって非常に魅力的である、主にその返し(barbs)に起因するのだが、毒針は比較的滑らかに皮膚に入り、組織に達する」。
 ポリマミックスを使って外科用縫合針を開発していた研究チームは、正確さを高めながら組織への損傷を減らすことができる器具を作りたいと考えていた。ミツバチの毒針を手本に使うことで、研究チームは針に小さな返し(ノッチ)を刻み込んだデザインを考案した。ノッチは、針の挿入、取り出し力を減らすので、組織への損傷を一段と最小化するのに役立つ。
 「一般に、外科用縫合針は、組織へ挿入したとき曲がる。これは、先端の設計のためである。針は、ガン組織や腫瘍など、目標に達するまでの計画した経路を逸脱する。この形状で、湾曲が制限され、ロボット設定における制御が容易になる。それは非常に重要である、針が曲がっていると、目標を逃すからだ」とHutapeaは説明している。
 3Dプリントされた針はまだ実用になっていない。針と3Dプリンティング技術自体(特に、サブミリメートルサイズで高アスペクト比-小さくて長い金属針)は、まだ開発中である。最終的には、目標は実用的な、類似の針を開発し、FDAの承認を得て、侵襲性の少ない外科的処置を改善するために使えるようにすることである。
 「最大の問題は、われわれが3Dプリント金属針を製造できるかどうかである。その技術は、まだここにはない。一方で、現在、ハイブリッド金属-ポリマ針を開発する製法に注目して妥協案を開発している。2~3年で、その技術をものにしたい」とHutapeaは説明している。
(詳細は、www.temple.edu)