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暗闇でも機能する、世界初の光で活性化する抗菌面を開発

March, 27, 2014, London--ロンドン大学(UCL)の研究チームは、院内感染を遮断することができる新しい抗菌材料を開発した。
2つの単純な染料とゴールドナノ粒子との組み合わせは、光で活性化すると、室内の光が少なくても、細菌には致死的となる。この種の物質では初めて、真っ暗闇でもすばらしい抗菌性を示している。
研究チームは、Sacha NoimarkおよびIvan Parkin (UCL Chemistry)とElaine Allan (UCL Eastman Dental Institute)。
院内感染は、現代の医療にとって大きな問題になっている。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やクロストジウム・ディフィシエ(C. diff)は広く知られている。医療専門家は厳しい洗浄ポリシーを持っており、スタッフに頻繁に手を洗うように主張し、使い捨ての強力な薬を持っているが、病院の環境をもっと抗菌的にできなければ、このような感染を除去することは難しい。ドアノブ、医療器具、キーボード、ペンなどの表面は、細菌が容易に拡散するルートになっており、洗ったばかりの手にも細菌が広がる。
これに対する可能なソリューションの1つは、細菌を受け付けない表面を作る抗菌コーティングと言った代替戦略を開発することである。このような表面は、すぐに流れてしまう抗菌液のようなものではない。目標は、有害な細菌にとって根本的に致死的な表面を作ることである。
明るい光に当たると細菌にとって有害になることが知られている染料がある。光がその中の電子を活性化し、染料の分子が三重項状態になり、究極的に活性酸素ラジカルを生み出す、これは細菌の細胞壁に損傷をもたらす。
研究チームは、これらの染料と金ナノ粒子との新しい組み合わせをテストし、この技術を簡単に安価に製造できるような表面処理法に単純化した。
研究チームは、クリスタルバイオレット、メチレンブルー、ナノゴールドの異なる染料を組み合わせてテストし、シリコーン表面に堆積した。この柔軟なゴムのような物質は封止剤、コーティングとして広く用いられており、チューブ、カテーテル、ガスケットなどの医療器具となっている。また、キーボードや電話などの保護用ケージングとしても使える。
以前は抗菌面を造る作業は、染料を表面に着ける複雑な方法に注意を向けていたが、この研究ではもっと簡単なアプローチになっている。研究チームは、有機溶剤を使ってシリコーンをふくらませ、ポリマを通してメチレンブルーや金ナノ粒子を拡散させている。次にシリコーンをクリスタルバイオレット溶液に落としポリマ表面に薄い染料層を形成した。
テストでは、病院の建物で計測したのと同レベルの光に感染面をさらし、クリスタルバイオレット、メチレンブルー、ナノゴールドの組み合わせで処理した表面が、そのような表面でこれまでに観察した中で最も強力な殺菌効果があることが示された。さらに、処置はシリコーンの特性を大きく変えることはなく(例えば、撥水性の程度)、コーティングはアルコールで拭いて擦っても影響を受けなかった。このことは、病院で行われている度重なる清掃に耐え、ぬぐい去られないことを意味している。
論文の著者、Sacha Noimark氏は、暗闇の殺菌作用については正確なメカニズムはまだ明らかになっていないとしながら、暗闇でも殺菌力があることを強調している。
(詳細は、 www.ucl.ac.uk)