November, 30, 2017, Enschede--トゥエンテ大学(University of Twente)の研究チームは、ラマン光技術を使い、アルツハイマー病の影響を受けた組織の画像を生成することかできるようになった。画像には周辺領域が含まれており、すでに変化がみられる。
アルツハイマー病は、脳組織におけるたんぱく質の高濃度エリアと関係している。ラマンイメージングを使ってこれらの影響を受けたエリアの鮮明な画像が得られるようになった。たんぱく質の存在の影響を受けた水と脂質の存在も検出できる。この技術を用いて、研究チームは、4つの脳のドナー、そのうち3例はアルツハイマー病であるが、これらの脳組織を調べた。
影響を受けた領域は、この方法で、鮮明にはっきりとみることがてきる。画像処理後、健全な組織と影響を受けた組織との移行段階の領域さえも見える。これは、この病気が脳内でどのように広がるかを示してくれる可能性がある。健康な人の脳組織でさえ、たんぱく質の活動がある小さな領域が検出される。これは神経変性疾患の最初の兆候である。
ラマン顕微鏡は、レーザビームを使って化学物質を検出する。反射、散乱された光のエネルギーがサンプルに存在する物質を示す。4つの脳サンプルのそれぞれで、4096スペクトルがこの方法で調べられた。ラマンの主な利点は、化学薬品の前処理が不要であること、つまり「ラベルフリー」である。化学的分析で、ラマンは強力な技術であることが証明されている。
今回は、体外で脳組織を調べるためにラマンを利用したが、手術中に特定の領域を見るために「体内」でラマンを使うことさえできる。MRI、PETやCTイメージングと比べてラマンは、細胞よりも小さな領域を非常に高精度に検出することができる。このように、ラマンは特別な重要技術となり得る。ラマン画像はここではたんぱく質の活動を神経細胞レベルで示しているが、もっと小さな、健康な人の脳サンプルさえも検出できる程に高感度である。