October, 24, 2017, Durham--イカやタコなど、頭足動物の変色メカニズムからヒントを得て、ニューハンプシャー大学(University of New Hampshire)の研究チームは、独自の連続的細胞オープニング機構の設計を考案した。これの潜在的なアプリケーションは、薬剤輸送から変色偽装材料まである。
新しいコンセプトは、スマートマテリアル設計に幅広く利用できる。光、温度、湿度などの外部条件に対する応答だけでなくセンサや、、粒子放出、薬剤輸送や変色偽装用材料にも広がる。特殊例は、生体医用スカフォールド、薬剤放出バンデージ、薬剤貯蔵やステント、画期的な折り畳み/展開可能デバイス、スマート応答コンポジット、伸びるソフト電気材料など。
研究チームは、2つの異なる細胞のカイラル(鏡像異性)形状を変えることでそのコンセプトを作成した。すなわち、それは頭足動物の変色器官を真似るように設計されている。1方向にのみロードされると、異なる特性を持つ2つの異なる細胞が連続して、1つまた1つと開く。マルチ材料3Dプリンターを手段としてその設計の迅速プロトタイプ製造を行い、複雑な形状と材料を使うそのコンセプトの証明に役立てた。研究成果は、Advanced Engineering Materialsに発表されている。
「われわれは2つの異なるタイプの細胞を用いた。1つは直ぐに開き、もう1つは、続いて開く前に、まず回転する。これが類例がないのは、個々の細胞が異なる色に割り当てられていると、連続オープニング機構を変えて、最初の細胞が開くとダークグリーンになり、その後に2番目が開くと明るい黄色になる材料を作ることができる点である」とYaning Li、機械工学准教授は説明している。「このコンセプトは、粒子放出にも使える。例えば、2つの異なる薬剤がバンデージから連続して放出され、創傷の腫れのような医療問題対処に役立てる場合である」。
そのコンセプトを証明するために研究チームは、画期的な柔らかいメタマテリアルを作製した。2つの異なるレベルでカイラル形状をカスタマイズすることにより、1方向にのみロードされた異なるサイズの細胞が連続して開いた。
「細胞が開く順序も形状で変えられ、材料の組み合わせては細胞の挙動を変え、潜在的なアプリケーションの数を増やす」とYunyao Jiangは説明している。
(詳細は、www.unh.edu)