September, 11, 2017, Berkeley--フィットネス-トラッキングリストバンドやブレスレットは、ステップカウント、心拍数、生体信号のモニタに主に使用されている。今度は、研究チームは、耳に着け、健康および医療ニーズ目的で深部体温を連続的に追跡する3Dプリントセンサを開発した。
その「earable」(耳に着けるデバイス)は、補聴器としても役立つ。また、いくつかの他の生体信号を連続的にセンシングするためののプラットフォームでもある、とUCバークリー(University of California Berkeley)電気工学・コンピュータサイエンス教授、Ali Javeyは説明している。
深部体温は、熱、不眠症、疲れ、代謝機能、抑鬱などの健康問題の基本的指標である。それを連続的に計測することは、幼児、高齢者、厳しい健康状態の人々にとって重要である。しかし、リストバンドやソフトパッチの形態で今日利用できるウェアラブルセンサは、皮膚の温度をモニタする。皮膚温度は環境によって変化し、通常は体温とは違っている。
体温は、口に入れたり、直腸読み取りを利用して計測できる。耳の温度計は、鼓膜が発する赤外エネルギーを計測するので、侵入デバイスよりも使いやすい。
個人の耳にピッタリ合うように特注するために研究チームは、フレキシブル材料と3Dプリンタを使ってセンサをプリントした。まず、伸縮性のポリマを使って、薄く透き通る円盤状ベースをプリントした。このベースは、微小チャネルをもっており、研究者はそこに液体金属を入れて、金属線の代わりに電気の相互接続を実現した。また、赤外センサ用の溝、マイクロプロセッサ、Bluetoothモジュールが、読取体温をスマートフォンアプリに伝送する。それらは3Dプリントされたケースにパッケージングされている。
デバイスは耳を覆うので、聴覚に影響を及ぼす。そのため、研究チームは、骨伝導補聴器を埋め込んだ。これは、マイクロフォン、データ処理回路、音量調整用のポテンシオメータ、アクチュエータで構成されている。アクチュエータはこめかみに設置され、音を振動に変換して、これが頭蓋骨を通して内耳に伝えられる。
イアラブル(earable)は、それを付けたボランティアの深部体温を正確に計測した。部屋の中では、加熱と冷却で温度を変え、またボランティアは固定自転車で運動をした。
「再充電なしで連続12時間程度装着可能である」とAli Javeyは言う。さらに同氏は、「将来的には、Bluetoothモジュールも含め、ローパワー電子部品を使ってさらにパワーを下げることができる」とコメントしている。
研究チームは、EEG、心拍数、血中酸素濃度を計測するためのセンサを組込み、デバイスの機能を増やすことを計画している。また、様々な環境でそれをテストすることも計画している。