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MRIと光学顕微鏡の組合せが脳の研究に有望

June, 12, 2017, West Lafayette--パデュー大学(Purdue University)の研究チームによると、機能磁気共鳴映像法(f-MRI)は、脳の様々な部分の血中酸素レベルの変化を明らかにするが、そのデータは、脳細胞内および脳細胞間で実際に起こっていることについて何も示さない。脳回路や機能の理解向上に必要な情報ももたらさない。
 MRI装置内部で生ずる強力な磁場は、高度な光学顕微鏡に必要な、精巧なエレクトロニクスに害を及ぼす。研究チームは、機能MRIと二光子顕微鏡技術の両方で脳の機能を同時に調べることができるシステムを設計することでその問題を解決した。そのイノベーションによってMRI信号と微細細胞動力学を関連付けることができる。これは、脳の機能と微細な神経回路、つまり結合の理解向上に役立つ。
 パデュー大学とミネソタ大学の研究チームは、強力なMRIを使ってシステムの概念実証をデモした。
 臨床医療で使用される一般的なMRIsは磁場が約3テスラであるが、ミネソタ大学の磁気共鳴研究所の装置は16.4テスラである。
 「このパイロット研究は、同時超高磁場MRIと高分解能二光子顕微鏡に道を開いた。このイメージング機能は、脳機能サポートにおける、包括的な脳の構造と連結性との関係、神経活動と動力学、脳機能と細胞エネルギー代謝の研究と理解に新たな機会を開くものである」とMeng Cui准教授は説明している。
 新しいシステムは、MRIから遠くにオプトエレクトロニクスとレーザを再配置し、遠隔で研究対象の標本に光をデリバーすることによって機能する。研究は、生きた研究用動物ではなく、マウスの脳で実施された。
(詳細は、www.purdue.edu)