March, 6, 2017, Tucson--アリゾナ大学医療センタサウス(University Medical Center South)の麻酔学/薬理学准教授、Mohab Ibrahimは、緑色が慢性痛を緩和するかどうか、ラットを緑色の光に晒すことで調べることにした。
グリーンLEDの露光を受けるために、1つのラットグループをグリーンLEDストリップを取り付けた透明プラスチックケースに入れ、グリーンライトを浴びることができるようにした。別のグループは、室内照明を浴びせ、緑のスペクトル波長が透過するコンタクトレンズを取り付けた。
これらのグループは、グリーンLED露光の効果を得る。しかし、別のラットグループには不透明のコンタクトレンズをとりつけ、緑の光が視覚系に入ってこないようにブロックした。これらのラットはグリーンLED露光の恩恵を受けなかった。
研究の結果、グリーンLEDを浴びた神経因性疼痛のラットは、グリーンLEDを浴びなかったラットに比べると、熱刺激や触刺激に対して耐性が強いことがわかった。
注目すべきは、その治療からの副作用が全く観察されなかった、運動能力も視機能も損なわれていなかったことである。その有益な効果は、最後のグリーンLED露光後、4日続いた。また、治療に対する公差は顕著ではなかった。
「早期の研究から、グリーンライトは内因性オピオイドの循環レベルを増加させることが分かっている。これは痛みを和らげる効果の説明になるかもしれない」とRajesh Khanna薬理学准教授は説明している。
研究チームは、繊維筋痛を患っている患者でグリーンLED光の効果を調べる小規模ランダム二重盲検臨床試験を行っている。参加者にグリーンLED光ストリップを与えて暗い部屋で毎夜、1-2時間、10週間使用できるようにする。
これまでトライアルの結果は有望である。参加者のうち2人は、痛みが著しく減少したためにグリーンLED光の変換を拒否した。もう一人は、非常によい経験であったと報告し、その光を戻してくれるようにと頼んでいる。
注目すべきは、その治療は男女ともに共通して効果が出ていることである。
薬理学教授、Todd Vanderahによると、その新しい非薬理学的方法は、数100万の慢性痛に悩む人々に非常に役立つ。当初の結果は、グリーンLEDが、痛みを抑制し神経系の炎症を減らす可能性がある内因性物質のレベルを変えていることを示唆している。
研究チームは、グリーンLEDを単独で、あるいは他の治療と組み合わせて使えると考えている。