January, 5, 2017, Uppsala--ウプサラ大学(Uppsala University)の研究が、高価な装置なしで生細胞の動画作成にスマートフォンを利用できる方法を示している。研究成果は、PLOS ONE誌にオープンアクセス掲載されている。
細胞のライブイメージングは、細胞研究にとって非常に強力なツールであり、これにより薬剤や毒などの多様な処置に対する細胞の反応の仕方について知ることができる。しかし、顕微鏡やライブイメージング用の装置は非常に高価である。
研究では、大学や病院に普及している旧い標準的な倒立顕微鏡を高品質ライブイメージング顕微鏡にアップグレードした。これには、数個の3Dプリント部品、市販のエレクトロニクスおよびスマートフォンを使用した。結果として得られた改良システムにより、優れた細胞培養条件が可能になり、生きた細胞の高解像度イメージングが可能になることをが示された。
同大学医療細胞生物学部のJohan Kreuger上級講師は、「このプロジェクトでのわれわれの成果は、高度な科学ではなく、3Dプリンティングが世界中の科学者の方法をどのように変えるかを示している。3Dプリンティングは、以前は非常に高価な研究方法に、資金が限られた研究者がアクセスする潜在力を提供する」とコメントしている。
この研究では、モジュラー式(4つの主要パーツ)で手ごろな価格のタイムラプスイメージング&培養システム(ATLIS)を設計している。ATLISは、簡素な倒立顕微鏡を生細胞イメージングシステムに変える。これには、特注設計の3Dプリントパーツ、スマートフォン、市販のエレクトロニクスを使用している(イメージングモジュール、加熱ユニット、ステージ搭載培養器、制御ユニット)。論文によると、ATLISはライブイメージング実験中に正常な細胞動作をサポートする安定した環境条件を提供することが実証された。
(詳細は、論文: A modular and Affordable Time-Lapse Imaging and Incubation System Based on 3D-printed Parts, a Smartphone, and Off-The-Shelf Electronics. PLOS ONE)