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レーザ粒子で組織画像を鮮明にする

December, 1, 2016, Cambridge--MIT、ハーバード大学、マサチューセッツ総合病院(MGH)の研究チームが開発した新しいイメージング技術は、深部組織の細胞構造、その他の高密度および不透明材料の照射を目標にしている。この方法では、材料内在の微小粒子を使い、それがレーザ光を発するようにする。
 研究チームは、微小な箸の形状のこれら「レーザ粒子」を合成した。粒子はヨウ化鉛ペロブスカイトでできており、効率よく光を吸収しトラップする。その粒子にレーザビームを照射すると、粒子は光り、通常の散乱光を発する。しかし入力レーザのパワーを調整してある「レーザ閾値」にすると、粒子は直ちにレーザ光を発する。
 研究チームは、粒子を刺激してレーザ光を放出させ、現在の蛍光ベースの顕微鏡よりも解像度6倍の画像を作り出せることを実証した。つまり、顕微鏡の解像度を2 µmに設定すると、この技術を用いた場合、解像度は300nmになる。
 従来の蛍光顕微鏡では、生物組織のサンプルに蛍光染料を満たした粒子を注入する。レンズを通してレーザビーム当て、ビームを組織に向けて、その経路の蛍光粒子を光らせる。
 しかしこれらの粒子は、相対的に不明瞭な光を発する。そうした粒子がもっと集束したレーザのような光を発するなら、深部組織や細胞の画像は一段と鮮明になる。最近の研究で、研究者たちはレーザ光放出粒子を開発したが、この独特の粒子をイメージングアプリケーションに適用したのはMITの院生Sangyeon Choの研究が初めてである。
 研究チームは、ヨウ化鉛ペロブスカイトから6µm超のナノワイヤを初めて合成した。この材料は蛍光をトラップして集束させる点で優れている。粒子のロッド形状により光の特定の波長が粒子長に沿って前後に跳びはね、定在波が発生する。これは、レーザと似ている。
 研究チームは、従来の蛍光顕微鏡と同じような、簡単な光学セットアップを作製した。その中に、光源から、レンズを通してレーザビームがポンプされ、レーザ粒子を含むサンプルプラットフォームに照射される。
 たいていの場合、レーザ刺激に応じて粒子は、低出力では、散乱蛍光を発するが、レーザパワーを一定の閾値に調整すると粒子は光り、レーザ光を発するようになる。
 新しい光学技術、LAser particle Stimulated Emission(LASE)顕微鏡は、特定の焦点面、特殊な生物組織の層をイメージングするために使える。理論的には、レーザ粒子を内蔵した組織の3Dサンプルにレーザ光を照射し、レンズを使って特定の深さにビームを集光することができる。ビームの焦点にある粒子だけが、レーザとして動作するだけの光、つまりエネルギーを吸収する。すべての他の粒子のエネルギー吸収は少なく、蛍光を発するだけとなる。