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回転グレーティング・マイクロ内視鏡で焦点ズレ光を除去

October, 5, 2016, Houston--ライス大学(Rice University)の研究チームは、先進的な侵襲性の少ない光ファイバ顕微鏡に焦点ズレをなくす回転グレーティングを加えた。内視鏡は手術に先立って、腫瘍学者や外科医が、ガン腫瘍を拡大して見るために用いる。
 ライスの高解像度顕微内視鏡、HRMEは、靴箱よりも小さく、侵襲性の少ない光ファイバケーブルを通して患者の体内からリアルタイムで画像を撮る。医者はケーブルを誘導し、ケーブルが組織に触れるところがどこであろうと、個々の細胞を拡大して明らかなガンの兆候を探すことができる。ライスのチームは、医者が腫瘍をよく見ることができるようになって、一部の生検が不要になり、切除中の腫瘍の「範囲」全体を外科医が捉えることができるようになると期待している。
 2015年、食道がんの可能性があることで内視鏡検査を受けた147患者の臨床検査で、HRMEであれば「陰性」生検の約90%を不要にしたであろうことが分かった。これらは癌の存在、前がん病変の存在がなかったからである。
 とは言え、ライスの研究者Pelham Keahey氏は、身体のある部分についてはより鮮明な腫瘍画像を医師に提供できるようにHRMEはオプティクスを改善する必要がある、と指摘した。
 Keahey氏は、2012年にRichards-Kortumのグループに参加してすぐに焦点ズレの問題に取り組み始めた。HRME適用のリアルタイム性が共焦点イメージングや構造化照明などの既存光学技術の利用で問題になっていた。共焦点イメージングは長い露光時間、非常に強い照射を必要とし、また、構造化照明は後に一つに統合されるマルチ画像取得に必要となる。
「実際の患者とハンドヘルドファイバオプティックプローブでは、マルチ画像を動かないままにしておくのは全く不可能である。よってわれわれは、単一の画像取得で焦点ズレを除去するシステムを必要としていた」とKeahey氏は語っている。
 研究グループのソリューションは、HRMEのケーブルが接続される後端にコンポーネントを追加することだった。研究グループは、構造化照明の変形を作製した。これには、回転グレーティングを採用されており、3つの個別画像を撮る必要がなくなる。
 HRMEは、蛍光技術を使用する。一色のLEDが光ファイババンドルに差し込み、患者の体内の組織を照射する。試験に先立って、医者が分子造影剤を組織に適用し、それによって細胞核が、LEDを照射されると違う色に光る。光は光ファイバケーブルを戻ってデジタル画像センサによって記録される。
「グレーティングは、表面上にパタンを持つガラスディスクであり、LEDから出る光と組織からの蛍光の2つの光と相互作用する」とKeahey氏は説明する。「出て行く光は、グレーティングによって暗い光、シマウマ模様のパタンを組織上に形成する。グレーティングが高速回転しているので、これらの縞が画像全体を動き回る。入ってくる光は、細胞からの戻り光であり、グレーティングが焦点ズレの光をすべて阻止し、素早く画像を取得する。次にHRMEがその焦点ズレの光を除去してコントラストが改善された最終的な画像を作る」。
 新技術は「差分構造化照明MicroENDスコープ」(DSIMe)と言う。新しい研究では、マウスの結腸と胃からの画像、テキサス大学MD Anderson ガンセンタの子宮頸がん患者からのイメージングの3種類のデータを使用。これには光スライドによる試験も含まれる。
 Richars-Kortumバイオエンジニアリングおよび電子・コンピュータ工学教授は、「テストでは、頸部、直腸、胃や他の臓器の主要検査で、DSIMeがHRMEの有用性を高めた」と話している。
「これは、光ファイバフローブタンに何かを付加することなく、画像コントラストを改善し、体内のHRMEイメージングを容易にする有望な技術である」とコメントしている。