September, 29, 2016, Karlsruhe--筋線維細胞膜の微小な裂傷で焼けつくような痛みを感じることはよく知られている。細胞外皮のこのような穴は可能な限り早急に閉じなければならない、そうでなければ筋細胞が次々に死んでいく。
カールスルーエ工科大学(KIT)の研究チームは、高解像度リアルタイム顕微鏡を用いてこのような修復プロセスを観察することに成功した。傷ついた細胞内部からのタンパク質が修復パッチを形成するまでわずか数秒しかかからない。修復パッチは、最終的に細胞膜の穴をふさぐ。研究チームは、筋線維を動き回る清掃細胞がこの修復パッチを除去する微小治療を実質的に行い、正常な細胞膜構造が回復することを実証した。
骨格筋の細胞が、細胞膜の裂傷修復に効果的なメカニズムを持っている。こうした裂傷は、健全な運動をしていてもわれわれの筋肉が機械的な応力を受けることによって生ずる。細胞膜は重要な障壁であり、細胞の適切な機能と生存に不可欠である。この障壁が壊れ、すぐに修復できないと、筋細胞は死に、筋肉量の損失となる。修復タンパク質、例えばディスフェリンが正常に機能しない人は筋肉の萎縮が起こり、極めて深刻な障害、早期死亡に至る。
KIT研究チームの学際的な協力プロジェクトで、PhD 学生 Volker Middel と Lu Zhuoが、超高解像度で人の細胞やゼブラフィッシュ胚の筋細胞の膜修復プロセスをリアルタイムで観察する新技術を開発した。ディスフェリン、アネキシンなどの修復タンパク質から造られた修復パッチは、ホスファチジルセリン脂質を蓄積することを証明した。ホスファチジルセリンは、清掃細胞のアペタイザとして知られており、いわゆるマクロファージ(大食細胞)である。
KITの研究チームは、マクロファージが実際にどのようにリペアパッチにラッチをかけ、それを食べつくすかを示す映像を紹介している。パッチが除去されると、細胞外皮は完全に修復されている。筋線維の膜の修復は、傷ついた細胞の修復パッチの形成に加えて、筋肉内を動き回るマクロファージの助けを必要としている。研究チームは、さらに、ディスフェリン修復タンパク質内の短いアミノ酸配列がホスファチジルセリンの移送に関与していることも実証した。正にこのディスフェリンタンパク質の配列に欠陥をもつ筋疾患患者が存在することは、驚くべきことである。したがって、新しい研究成果は、筋委縮の治療開発に貢献すると考えられる。