September, 15, 2016, London--UMass LowellとUKのKing’s College Londonの研究チームは、極微小の対象の構造を極めて鮮明な画像で撮る新しい方法を実証した。
「インタースケール・ミキシング顕微鏡」(IMM)と言う技術は、ウイルスや、光波長よりもはるかに小さなナノ粒子を捉えることができる。そのような技術は、病原菌に対する新しいワクチンの開発に役立つ。また、産業用途の画期的なナノ材料、病気と闘う新しい薬剤の開発にも役立つ。
UMass LowellチームのViktor Podolskiy教授によると、新技術は、いわゆる「回折限界」を超える設計になっている。「IMMによるサブ波長イメージングは潜在的に、細菌、ウイルス、ナノ粒子などの微小物体の色、スペクトルを捉えることができる。その色シグネチャを知ることで、対象物を素早く同定し評価し、その正確な化学組成を判定することができる」。
IMM技術は従来の光学顕微鏡と巧妙な信号処理を使い、計測光をベースにした対象物の特性をデコードする。計測された光は、特殊な精巧に規定された回折格子に近い物体によって散乱されている。研究チームは、グレーティングによる1回の計測で対象物の位置、サイズ、光学スペクトルを極めて精密に判別できることを示した。
SEMは一般に、5~10nmの解像度。現在、IMMは70nm程度に制限されている。
「われわれの技術はまでそれほど強力ではないが、新しいSEMのコストは数千ドルから100万ドルになる。IMMは旧い既存の研究用光学顕微鏡を改良できるので、大学や企業にとっては大幅なコスト節減になる」と研究チームのChristopher Roberts氏は語っている。
「さらに、電子顕微鏡で生きた細胞を観察することはできない。最初にそれを殺して準備することになるからだ。IMMは、原理的に生きた試料をリアルタイムで観察できる。われわれの技術は、次世代の光学顕微鏡やナノスケール分光に道を開くものである」と同氏は付け加えている。