April, 18, 2016, Hannover--冠血管を調べるための血管内イメージング技術はすでに最先端の域にある。とは言え、これまでのところ、外部から利用されている技術は、組織についての情報を収集するために用いられる超音波法だけである。これに必要な圧電コンポーネントが、血管に挿入できるほどに微細化されていないからである。
LZH(The Laser Zentrum Hannover e.V.)とイスラエル技術研究所テクニオン(Technion)は、これを変えようとしている。研究グループは、医療超音波技術用の光音響センサに取り組んでいる。
信頼度の高い心臓病診断のためには血管内検査が不可欠。この最小限の侵襲性の外科的介入を用いて光センサを冠血管に直接挿入すると、外的検査法を用いて可能なよりも詳細な血管画像が可能になる。
研究グループは、血管内診断と超音波技術とを統合しようとしているが、これに必要な圧電コンポーネントは十分に微細化されていない。このため、新しい技術は光干渉法をベースにしている。血管内モジュールは、深さ1㎜まで冠血管組織の内的画像を提供できる光音響イメージングセンサを備えていなければならない。これを達成するために、まず血管組織が照射ファイバからの誘導レーザインパルスを吸収する。次に結果として生じる超音波を音響レンズを介してファイバベースの超音波ディテクタに誘導する。この信号を光信号に変換することにより、血管壁の完全な画像が得られる。光干渉計が反射パタンの偏差を認識し、その組織にありうる異常な変化あるい病気に基づいた変化を検出する。
不調や病気、例えば動脈硬化の診断は非常に簡単になる。このセンサは、現在の方法と比べて、著しく高感度、高分解能であるからだ。光干渉法は現在の超音波検出の代替として調査すべきであり、これには技術的アプリケーションへの利用も含まれる。
レーザマイクロマシニンググループの研究チームは、音響レンズの生産に必要なプロセスエンジニアリングを開発している。これらは直接ガラス基板に挿入されることになる。そのためには、基板の特定エリアをレーザを使って除去し、研磨する。
血管内センサの他の部品は、レンズは別にして、超音波検出素子、超音波刺激用の照明ファイバである。信号のデザインと診断に使用できる画像への信号の変換は、テクニオンの研究チームが開発中である。
研究プロジェクトは「レーザマイクロマシニングと干渉計センサを介した血管内イメージング用の集積シリカベース光音響プローブ」。