April, 1, 2016, Nottingham--ノッティンガム大学の研究チームにより、肺病の画像を著しく鮮明にする新しいスキャニング技術が大きく前進した。
Sir Peter Mansfield Imaging Centreの研究チームが、肺内部に空間を作ってMRIスキャンで見られるように、吸入できる造影剤として特殊処理されたクリプトンガスを用いるプロセスを開発した。それは、新しいプロセスによって、医師が実際に患者の肺内部を見られるように期待されていたものである。
従来のMRIは、組織の画像を撮るための分子標的として体内の水素陽子を用いるが、空気がいっぱいうるために、肺の詳細な画像は撮れない。最近の技術開発では、今までにないイメージング法Inhaled Hyperpolarised Gas(吸入過分極気体) MRIが開発されている。ここでは、レーザを使って希ガス(不活性)を「過分極」する、つまりMRIスキャンで見えるように気体の核を整列(分極)させる。
この方法では、ヘリウム、キセノン、クリプトンなど、患者が吸い込んで息を止めることができる「原子のスパイ」を使って3Dイメージングする。ノッティンガム大学は過分極クリプトンMRIを開発し、現在この技術は臨床承認過程にある。
過分極MRI研究は、吸い込まれる気体が十分に長く過分極状態を維持できるように、このような希ガスの問題を克服しようと取り組んできた。ノッティンガムチームは、高純度の過分極クリプトン気体を生成する新しい技術を開発した。これによって、この新しい造影剤を肺疾患MRIに利用することが著しく容易になる。
同イメージングセンターのトランスレイショナル・イメージングチェア、Thomas Meersmann教授によると、「この造影剤準備中にクリプトンの過分極状態を維持するには、大変な努力が必要になる。われわれは、通常のクリーンエネルギー関連科学のプロセスを用いることでこの難題を解決した。それは触媒水素燃焼である。クリプトン-83気体を過分極するために、レーザ励起プロセスで、それを分子水素気体中で希薄化した。レーザ処理が終わると、水素ガスは酸素分子と混合され、それは触媒燃焼反応で安全に制御された形で文字通り爆発させられる」。
「驚くべきことには、クリプトン-83の過分極状態は、燃焼過程を通じて維持される。クリーンな水素反応の唯一の所産である水蒸気は、凝結によって簡単に除去でき、後に残るのは少量の無害な水蒸気によって希薄化されたレーザ分極クリプトン-83ガスである。この開発は、臨床応用のMRI造影剤としてのレーザ励起クリプトン-83の潜在的な有用性を高める」。
この新技術は、別の有用な希ガス、キセノン-129の過分極にも使え。またこの造影剤はより安価に容易に作れるようになる可能性がある。