December, 16, 2015, Ann Arbor--ミシガン大学の研究チームは、神経細胞サイズの発光ダイオード(LED)の助けを借りて脳のニューロン経路の秘密を明らかにしようとしている。
研究チームは、最小と考えられるLEDを持つ神経プローブを作製し、マウスでテストした。新しいプローブは、多数の個別ニューロンの活動を制御、記録することができ、1個のニューロンの活動における変化が、その周辺にどのように影響を与えるかを計測する。
研究チームが設計したプローブを使用した実験が、アルツハイマーのような神経系の病気の理解と治療におけるブレイクスルーにつながると研究チームは、期待している。
遺伝子組み換えした齧歯動物では、ニューロンは光でON/OFFできる。一般に、神経科学者はこの「光遺伝学」技術を使って、移植した光ファイバにより脳のある領域に光を照射し、二番目のデバイスで反応を記録する。これは、脳のどの領域がどの振舞いに対応しているかを明らかにするのに役立つ。しかし、ニューロンがどのように相互交信しているかを明らかにすることはできない。
新しいプローブはそれができる。各プローブアレイは12個のLEDと32の電極を持つ。マイクロLEDはニューロン細胞体程度のサイズであるので、単一のニューロンをON/OFFできる。一方、マイクロ電極は、単一ニューロンレベルで活動を計測し、1つのニューロンの振る舞いが周辺ネットワークにどのように影響しているかをレポートする。
「今では、細胞グループ、隣接およびもっと離れた細胞が、1個の細胞の活動に対してどのように反応しているかを知ることができる。これらの細胞の相互交信のしかたの理解向上に役立つ」とポスドク研究者Fan Wu氏は説明している。
U-Mの電気工学、コンピュータサイエンス教授、プロジェクトリーダー、Euisik Yoon氏は、「マイクロLEDプローブを使って、ニューロン回路の内部を信号がどのように伝搬するかについて情報を引き出す。目的は、記憶がどのように形成され、取り出され、置き換えられるかを理解できるようになることである」とコメントしている。
概念実証実験により、カバの表面神経と深部神経が、刺激されたときに異なる種類の脳波を生成することが分かった。今後の実験は、このような脳波が記憶とどのように関係するかを探ることである。