April, 27, 2015, West Lafayette--生体細胞クラウドの画像を撮ることができる振動分光イメージング技術は、ガンや他の病気を早期に発見するための先端医療診断ツールの代表である。
高速分光イメージングによって、生素早く変化する体細胞内の代謝過程を観察し、組織の広い範囲を撮像して、臓器全体をスキャンすることが可能になる。
パデュー大学(Purdue University)生体医用工学/化学学部教授、Ji-Xin Cheng氏は、「例えば、腫瘍診断のために食道、膀胱を撮像することができるようになる」と言う。「ピクセルあたり1ミリ秒(ms)かかると、画像の取得時間に10分必要だが、これでは細胞に起こっていることを見るには遅すぎる。それが今では、2秒で完全なスキャンができるようになっている」。
この技術は、誘導ラマン散乱を用いてマイクロ秒速度の振動分光イメージングを実現する新しい方法。レーザを用いて分子の振動スペクトルを計測することで一定の分子を捉え追跡することができる、つまり一種の特殊フィンガープリントである。
このイメージング技術は「ラベルフリー」であり、染料でサンプルを染める必要がないので診断アプリケーションにとって魅力的である。新システムのもう1つの優位性は、別の技術、フローサイトメトリと結合して、1秒に100万細胞を見ることができることだ。
「例えば、患者の血液サンプルから膨大な数の細胞を見て腫瘍を発見すること値ができる。また、内視鏡によって直接臓器を見ることも可能だ」と同大学のCheng氏は説明している。「このような機能は、ラマン分光の医療利用の仕方を変えることになる。「個々の細胞にはたくさんの細胞小器官があり、分光学によってその内容が分かる、これは他の技術では得られない情報だ」。
概念実証として研究チームは、人のガン細胞がビタミンAをどのように代謝させるか、薬剤が皮膚にどのように分布されているかを観察することによって新しいシステムのデモンストレーションを行った。
最先端の商用ラマン顕微鏡と比べて約1000倍高速なこの技術は、ジョナサン・アーミー・ファシリティで開発された電子デバイス、32-chチューンドアンプ(TAMP)アレイによって可能になったものである。