October, 22, 2020, 東京--アドバンテストは、当社の光超音波顕微鏡「Hadatomo™ Z」向けに、皮膚のメラニンと血管網を3D画像で識別可能な2波長レーザを開発した。従来装置では困難だった、メラニンと血管網の位置関係を一目で把握することができ、皮膚研究や美容、医療分野の研究に活用できる。
新技術の特長
アドバンテストがこれまで培ってきた、光パラメトリック発生による独自の波長変換技術を応用し、波長が575 nmと 650 nmの2波長レーザを開発した。同社の「Hadatomo Z」 で従来用いられている532 nmと556 nmの波長は、いずれも血液の吸収係数が高く血管網の画像化に適している一方、メラニンの吸収係数も高いため、メラニンと血管が共に画像化される。メラニンは表皮基底層に分布し、血管は真皮乳頭層に走行しており、両者はほぼ同じ深さに存在するため画像での識別は困難だった。
新技術で採用した650 nmの波長は、メラニンの吸収係数が高く血液の吸収係数が低いため、メラニンを選択的に画像化することができる。575 nmの波長で得られた血管網画像と重ねることで、メラニンと血管を識別可能な形で3D画像化する。加えて、光源や電源などを小型化することで、Hadatomo Zに実装可能なサイズを実現した。
新技術の応用例
ヒトの上腕の測定例
532 nmレーザによる画像では、メラニンと血管が共に画像化され、識別は困難。一方、新製品2波長レーザはメラニンと血管を分離し別の色で表示することができる。画像内の緑がメラニンを示し、赤が血管網を示している。
頭皮の測定例
皮膚内部の体毛と、頭皮の血管網を3D画像として画像化。新製品の2波長レーザは、皮膚をメラニン分布と血管走行の観点から計測可能にする。
(詳細は、https://www.advantest.com)