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テラヘルツ反射測定法で数十µm厚の塗装層を分析

May, 26, 2014, Washington--Applied Research and Photonics, IncのAnis Rahman氏とAunik Rahman氏は、テラヘルツ反射測定法を使う新技術を開発した。
 新技術は、塗装層の厚さと内部に埋め込まれた粒子のサイズとを計測する新しい方法。従来の方法と異なり、塗装は損傷を受けないので、この技術は車から航空機まで、またガンの検出など、多様なアプリケーションで役立つ。Anis Rahman氏は、「現在の方法は、個々の層やコーティングの厚さを非侵襲的に判定することには全く成功していない」と指摘する。
 テラヘルツビームは、厚さ数十µmの個々の塗装層を透過し、ビームが当たった材料の各層の厚さに応じて異なる強度の光で返ってくる。反射ビームの強度を計測することで塗装層の厚さを数十ナノメートル(nm)の精度で知ることができる。この方法は、塗装に加えられた粒子のサイズを25nm程度まで推定することにも使える。
 品質コントロールに加えて、この方法はテストペイントにも役立つ。例えば、車の上塗りが下の塗装を保護するようにするには2つの層が分離されていなければならない。テラヘルツ反射測定法を使って上塗りが下層に浸透していないことを確かめることができる。この方法は、塗料がプラスチック、木材、金属など異なる表面とどのように反応するかを分析しようとする企業にとっても役立つ。
 この方法は旧い層が鉛を含むかどうかの検出にも役立つので、環境衛生応用も可能。考古学者や美術史家は、作品の塗料の分析に用いることさえ可能。
 しかしテラヘルツ反射測定法は塗料の分析を超えたところでも有用である。研究チームは、黒色腫や基底細胞ガンなどの皮膚ガンの初期段階診断に役立つ方法として、この技術を皮膚構造分析ができるように設定しようとしている。分光計を追加して反射ビームの異なる波長を計測できるようにすると、この技術は皮膚層の構造を分析し、皮膚が健康であるか病気であるかを判定することができる。
 測定装置の商用化の準備はできている。
 詳細は、6月にサンノゼで開催されるCLEO: 2014で発表される。