January, 25, 2018, Washington--国際研究チームは、眼全体の詳細な画像を撮像する装置を初めて開発した。電流に応じて光学パラメータを変えるレンズを組み込むことにより、その画期的な技術は、現状のものよりも高品質の画像を生成し、患者の目の検査を高速化し、楽にすることができる。眼の異なるエリアを見るために多数の装置でイメージングすることが避けられるからである。
Opticaに発表された論文によると、新しいOCTイメージングシステムは眼の前部と後部の両方を撮像できるだけでなく、眼のガラス体ゲルと網膜およびレンズとの界面を前例のない精度で撮像できる。この新しいイメージング能力により、研究者は眼を満たしているガラス体ゲルが網膜とどのように接しているか、それが老齢化とととも分離することがある理由をよりよく理解できるようになる。
「われわれの装置を利用して、眼の水晶体レンズやガラス体の混濁を計測して、眼の様々な部分が視力低下にどのように影響するかをもっとよく理解したい。これらの混濁、これまで調べられなかった眼の他の特性を計測する能力は、OCTにとって新しい眼科アプリケーションの始まりとなる」とポーランド、ニコラスコペルニクス大学のIreneusz Grulkowskiはコメントしている。
新しいシステムはOCTベースである。ほとんどの医療機器は深さ2~3㎜のイメージングに限られる。また、眼の前部と後部の間でイメージングを切り替えることは難しい。眼が、光を曲げて網膜に集光する要素で構成されているからである。
こうした問題を克服するために、研究チームは、眼全体をイメージングできるように光を集中させるOCT装置を構築するために電気可変レンズを使った。標準的な固定パラメータのガラスやプラスチックのレンズと違い、電気可変レンズの光学特性は、電流を使って動的に制御できる。
そのOCTシステムは、新発売の掃引光源、波長を連続的に高速可変できる光源を組み込んでいる。その波長可変レーザは、他の光源を使用するシステムと比較して、OCTの分解能と速度を改善する。研究チームは、高速エレクトロニクスを実装して、眼全体をイメージングするために必要な深度を達成した。
研究チームは現在、レンズと網膜とに接するところだけでなく、ガラス体ゲル全体をイメージングするように装置の最適化に取り組んでいる。ガラス体ゲルはこれまで集中的に研究されてこなかった、また、それは透明であるために撮像が難しい。ガラス体全体を撮像する能力により、OCTは眼からのガラス体ゲル除去に関わる処置のガイドに使える、これは網膜剥離の治療で行われることがある。
セットアップのラボバージョンは使えるようになっているが、その技術を医療機関に移行するにはまだ何段階か必要である。研究チームは、スキャンエリアの最適化、眼のサイズの自動計測用の処理ツールの開発に注力している。
(論文、Optica, Volume 5, Issue 1, 52-59 (2018). DOI: 10.1364/optica.5.000052.)