September, 2, 2016, 京都--島津製作所は、従来機の5倍以上のスピードで画像データを取得可能な高スループット走査型プローブ顕微鏡「SPM-9700HT」を発売した。
走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)は、先端の半径が数ナノメートルの微小なプローブを備えるカンチレバーで試料の表面を走査し、試料の三次元形状や物性を高倍率で測定する顕微鏡。高い分解能を有しており、大気中や液中でも観察可能なため、表面物理や電気・電子、化学、生物など、多様な研究分野で使用の場が広がっており、ナノサイエンス、ナノテクノロジーの発展に貢献している。
新製品「SPM-9700HT」は、高速な応答を実現する新開発の「HTスキャナ」を採用するとともに、制御系の設計やソフトウェアを最適化したことで、画像の取得時間を大幅に短縮した製品です。汎用性が高いモデルでありながら優れたスループットを有しており、ルーチンの観察に最適である。
新製品の特長
1. 従来機の5倍以上のスピードで画像データを取得可能
高速な応答を実現した新開発の「HTスキャナ」と、制御系の設計やソフトウェアの最適化により、自社従来機の5倍以上のスピードで画像データを取得可能になった。大幅な測定時間の短縮を通じてトータルのスループット向上を支援する。測定試料数が多い場合や、定形の繰り返し観察に最適。
2. スピーディな試料交換と高い安定性を両立
独自の「ヘッドスライドメカニズム」を採用しており、スピーディな試料交換と機構の安定性維持を両立できる。試料交換後でも素早く画像を取得できるため、観察に費やす時間の短縮が期待できる。
3. 専用治具によりスムーズにカンチレバーを交換可能
従来、カンチレバーの交換には慎重な作業が必要だったため、カンチレバー取り付け専用治具「CantileverMaster」(オプション)を新規開発。熟練者でなくてもスムーズかつ容易にカンチレバーを取り替えることができる。
(詳細は、www.shimadzu.co.jp)