August, 30, 2016, 京都--島津製作所は、薬剤ICG(インドシアニングリーン)を励起して発生させた近赤外蛍光を撮影することでリンパ管を“見える化”し、乳がんの手術における転移診断を支援する近赤外光カメラシステム「LIGHTVISION」を発売し、医療用近赤外光カメラ市場に参入した。
同社は、痛みをともなわない検査を実現する乳房専用PET装置「Elmammo」を2014年に発売するなど、最新の科学技術を応用し、罹患率が高まっている乳がんの検査や治療の支援に注力している。新製品「LIGHTVISION」は、このような取り組みの一環で開発した製品。
リンパ管に投与された薬剤ICGに「LIGHTVISION」から励起光を照射し、ICGから発生した肉眼では見えない微弱な近赤外光を撮影して画像化することで、組織表面下のリンパ管をリアルタイムで造影できる。手術中にリンパ管を”見える化”することで、執刀医は、切除するリンパ節の位置などをモニタで確認しながら手技を進めることが可能になる。乳がんの手術においては、がん細胞の転移を診断するために重要なセンチネルリンパ節の位置同定に有効。
新製品の特長
1. 高精細なハイビジョン画像の描出を実現
LIGHTVISIONは、ハイビジョン画像センサを内蔵しており、高精細な画像の描出が可能。執刀医が手元を見ずにモニタを確認しながら手技を進めるのに十分な画質を確保している。また、手術室の照明を消す必要も無く、明視野での撮影に対応している。
2. 視認性に優れた3画像同時表示に対応
3画像同時表示への対応によって、可視+近赤外蛍光画像・近赤外蛍光画像・可視画像をリアルタイムで1つのモニタに表示でき、ひと目で画像の確認や比較が可能。可視+近赤外蛍光画像においては、蛍光箇所を緑色や青色で示すこともでき、リンパ節およびリンパ管の位置の正確な同定に貢献。
3. 手術室での使用に適した便利な機能や操作性
カメラアームは約180cmまで伸ばすことができ、最大倍率10倍の電動ズームや自動フォーカス、自動露光調整、自動ホワイトバランス調整に対応している。また、本体の制御は、シンプルかつ取り外し可能なコンソールから簡単に実行できる。
(詳細は、www.shimadzu.co.jp)