テレヘルス&遠隔医療におけるAI市場、2030年までに271億4000万ドル

August, 8, 2025, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート「テレヘルスおよび遠隔医療市場におけるAI、コンポーネント別(ソフトウェア、サービス)、機能別(仮想ケア、チャットボット、RPM、管理者、患者への関与)、アプリケーション別(遠隔神経学、遠隔ICU、遠隔放射線学)、エンドユーザ別(プロバイダ、支払者、患者)-2030年までの世界予測」によると、市場は、2024～2030年にかけてCAGR 36.4%で拡大し、2024年の42億2,000万ドルから2030年までに271億4,000万米ドルに達すると予測されている。

遠隔医療におけるAI市場は、高齢者の増加と継続的な医療を必要とする慢性疾患(糖尿病やCVDsを含む)の有病率の上昇により、急成長を遂げている。遠隔医療機器を使用すると、金と時間の両方でコストが節約され、医療にアクセスする患者に利便性がもたらされ、全体的な医療費削減となる。さらに、病院におけるデジタルヘルス技術の進歩が市場の成長を推進している。2022年、サウジ保健省は遠隔医療を提供するセハ・バーチャル・ホスピタル(Seha Virtual Hospital)を立ち上げた。Sehaは224の病院と連携し、心臓病学や神経学を含む44の専門サービスを提供し、事実上の緊急性のない治療を可能にする。
さらに、熟練した医療従事者の不足により、ケア提供のギャップを埋めるために遠隔医療ソリューションの使用が増加している。WHOは、世界中で430万人の医師、看護師、その他の医療専門家が不足していると推定している。償還の変更、遠隔医療関連法、RPM システムの導入などの政府の資金提供と規制により、より伝統的なシステムに仮想医療(virtual healthcare)を組み込むための強力な枠組みが確立され、それが市場の拡大を促進するのに役立った。

プライマリケア分野は、遠隔医療アプリケーション市場におけるAIの最大のシェアを占めた。
プライマリケア分野は、AI導入に適した健康診断、慢性疾患管理、予防ケアなどの日常医療ニーズ向上により、遠隔医療市場におけるAIの最も重要な割合を占めた。これらのプラットフォームは AI を活用して症状評価、仮想診察、フォローアップを自動化し、日常の健康問題に対して医療をよりアクセスしやすく便利にする。Hellocare(米国)などの組織は、仮想患者観察やRPMなど、プライマリケア向けのAIベースのソリューションを備えた完全な遠隔医療プラットフォームを提供している。これらのソリューションは、患者のエンゲージメントを高め、ケア提供を簡素化する。さらに、CVS Health(米国)は、パーソナライズされたデジタルヘルスケアサービスを提供することで、CVS Healthバーチャルプライマリケアを提供し、ユーザがリモートで自分の健康にアクセスして管理できるようにする。

遠隔患者モニタリングセグメントは、機能別に遠隔医療市場における AI の最も急成長しているセグメントを占めている。
遠隔患者モニタリングセグメントは、継続的なモニタリングと管理を必要とする慢性疾患(糖尿病、高血圧、CVDを含む)の数が増加しているため、機能別に遠隔医療市場におけるAIの最も急成長するセグメントになると予想されている。RPM システムは患者の健康データを常に監視するため、何度も病院に行く必要がなくなり、患者の転帰が改善される。Mayo Clinic(US)などの多くの医療施設は、再入院率を下げるためにRPMシステムを提供している。2025年1月、台湾の工業技術研究院(ITRI)は、StreamTeck(台湾)と提携して開発した、患者のバイタル(体温、心拍数、血圧)を検出するAIベースのRPMデバイスを導入した。

北米は 2023 年に最大の市場シェアを占めた。
北米は、この地域の近代的な医療インフラ、先進技術の普及、政府の広範な支援により、最大の市場シェアを占めた。特に米国は、遠隔医療アクセスとRPM技術を増やすために、メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)のものを含む有利な償還政策と規制義務を採用している。政府の有益な取り組みも市場の成長を後押ししている。2023年10月、米国遠隔医療協会は、医療におけるAIの安全、適切、責任ある使用を促進するための新しいAI原則を発表し、患者と医療提供者の信頼、安全性、医療ツールとしてのAI導入の有効性を高めた。2024 年 10 月、Zoom Communications (米国) は Suki AI, Inc. (米国) と提携し、遠隔医療サービス内に AI を活用した音声ツールを導入し、臨床文書機能を向上させた。これらの要因が相俟って、遠隔医療および遠隔医療市場における AI における北米のリーダーシップを強化している。