フローサイトメトリ市場規模、2030年までに70億1310万ドル

April, 16, 2025, San Francisco--Grand View Research, Inc.の新しいレポートによると、世界のフローサイトメトリ市場規模は、2025～2030年にかけてCAGR8.41%で成長し、2030年までに70億1,310万ドルに達すると推定されている。
さらに、ガン、免疫不全障害、感染症の有病率の上昇が業界を牽引している。また、バイオ医薬品、ライフサイエンス、バイオテクノロジーの研究活動へのR&D投資の増加により、フローサイトメトリ機器に対する高い需要が生まれている。近年、PoC試験用のポータブルマイクロ流体フローサイトメトリデバイスの開発に重点が置かれている。

マイクロフルイディクスとフローサイトメトリを併用すると、生体サンプルの複数の特性を測定するための便利なツールになる。例えば、いくつかのマイクロ流体工学と小型検出器が容易に入手できることで、光流体サイトメータ、イメージングサイトメータ、インピーダンスサイトメータなどのマイクロチップベースのサイトメータの作成が可能になった。費用対効果が高く、携帯性があり、コンパクトなマイクロ流体フローサイトメトリデバイスの開発は有益である。
アジアやアフリカなどの発展途上国では手頃な価格で、PoCテストアプリケーションの急速な成長を可能にしている。さらに、蛍光色素の改良や、学術研究環境における卓上型サイトメータの有用性の高まりが、業界を牽引すると予想される。

マルチカラーフローサイトメトリーの発展により、新薬開発活動におけるこの技術の採用が加速している。例えば、2020年1月、Beckman Coulter Life Sciencesがヨーロッパで13色の臨床フローサイトメトリシステム「DxFLEX、CE-IVD」を発売した。同様に、複数のパラメータを同時に評価することによる容易な細胞解析により、受託研究目的での広範な使用が可能になる。COVID-19のパンデミックは、この分野での新製品の発売によって証明されるように、この技術の革新にも拍車をかけた。例えば、2021年7月、Metropolis Healthcare Ltd.は、COVID-19の入院患者のリスクステータスを検出するための簡易血液検査「CoviRisk-TBNK」を発表した。

ICU施設や人工呼吸器に対する患者のニーズを分析し、医療リソースへのストレス軽減に役立つ。この検査は、フローサイトメトリベースのリンパ球サブセットアッセイであり、IVD(In Vitro Diagnostics)の承認を受けている。このようなイノベーションは、近い将来、業界の成長を促進すると予想される。さらに、フローサイトメトリは、免疫細胞をリストアップし、特徴づけるための重要なツールであり、根本的な遺伝的欠陥の認識と検証にも役立つ。この技術は、幹細胞移植後の患者の免疫応答を観察および監視するためにも使用されているため、臓器移植は業界の成長を促進する上で重要な役割を果たす。WHOによると、世界中で毎年約50,000件の幹細胞移植が行われており、この数は近い将来増加すると予想されており、この技術の適用範囲が広がる。

一方、機器は非常に高価であるため、いくつかの発展途上国の購入者は、技術的に高度なフローサイトメトリ機器を購入する余裕がない可能性がある。これらの機器は100,000米ドル以上の費用がかかる可能性があり、中小規模の病院や臨床検査室にとって大きな予算上の制約となる。ただし、Ｓｏｎｙなどの一部のメーカーは、ソフトウェアを使用して多くのプロセスを自動化する新しい機器を発売しようとしている。このような開発は、技術の使いやすさを向上させるだけでなく、近い将来、平均計装コスト(100,000米ドル未満)を下げるのにも役立つ。

フローサイトメトリー市場レポートのハイライト
・機器セグメントは、技術開発による浸透率の向上により、2024年に35.30%の最大の収益シェアで市場をリードした。

・技術に基づくと、セルベースセグメントは2024年に76.16%の最大の収益シェアで市場をリードした。

・アプリケーション別では、臨床セグメントが2024年に45.34%の最大収益シェアを獲得し、市場をリードした。

・最終用途別では、2024年に学術機関セグメントが最大の収益シェアを占め、細胞生物学や分子診断におけるフローサイトメトリの広範な使用に牽引された。