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EPFL、パーキンソン病における認知低下の早期予測

July, 28, 2023, Lausanne--EPFL神経科学者によると、初期の幻覚疾患は、パーキンソン病の診断では、認知機能低下リスクが高くなっていることを示唆している。

誰かが背後にいるという強い感覚を経験したことはないか。振り向くほどに非常に強いが、そこには誰もいない。これは、「存在幻覚」。存在幻覚は、特に頻繁であるが、パーキンソン病患者では過小報告されており、その病気の進行の早い段階に現れる。それは、患者、医者にも無視されることがあり、薬剤の単なる副作用として無視されることがある。

今回、EPFL研究者は、最近、パーキンソン病として診断された患者で、早期幻覚のある患者が、認知機能低下が早まるリスクがあることを確認した。この研究成果は、Nature Mental Healthに発表された。

Olaf Blankeは,「われわれは、これにより、パーキンソン病では早期幻覚が真剣に受け止められるべきであることが分かっている」とコメントしている。同氏は、Cognitive Neuroprosthetics(認知神経補綴学)のBertarelli Chair、EPFL認知神経科学研究所のリーダー。

「パーキンソン病に罹っていて、幻覚を経験しているなら、ほんのわずかでも、この情報をできるだけ早く医者と共有すべきである」とEPFL認知神経科学のFosco Bernasconiは、説明している。同氏は、研究の主筆。「今までのところ、パーキンソン病で認知低下と早期幻覚とを結びつける証拠があるが、それは他の神経変性疾患でも有効であると考えられる」。

パーキンソン病の長期臨床研究
EPFLとバルセロナのSant Paolo Hospitalとの協働で、研究者は、全てパーキンソン病と診断された60ー70歳の75名の患者のデータを収集した。Sant Paolo Hospitalの臨床医と研究者は、一連の神経心理学的尋問を行い、患者の認知状態を評価した。患者が幻覚を経験しているかどうかについて神経精神病学的尋問、安静時の脳の活動の脳波(EEG)を計測した。

データを分析し、研究者は、パーキンソン病患者では、前頭葉実行機能の認知低下が、早期幻覚の患者では、次の5年で急速であることを確認した。その5年の認知低下レベルは、さらに、最初の診察でEEGで計測したように、前頭シータ(4ー8Hz)振動活動に関連している。とは言え、幻覚が始まっている場合である。臨床的、人口統計的に類似の患者では、最初の唯一の違いは、一つのグループには幻覚があり、他方のグループには幻覚がないことである。

早期発見から早期治療
パーキンソン病のような神経変性疾患は、発見された時には、遅すぎることがよくあり、病気は進みすぎていて、予防処置や病気の改善治療の効果に限界がある。Bernasconi, Blankeとチームは、それを変えることを目標にしており、軽い幻覚のような初期の兆候を探している。また、認知および病気の精神症状の進行を減速するための早期介入を促進する方法を探している。

幻覚は、パーキンソン病のあまり知られていない症状の一つである。病気の初期段階で非常に蔓延しており、2人のうち1人は定期的に幻覚を経験している。多様な幻覚の中で、早期の幻覚は、震えのような運動症状の発症前に、パーキンソン病患者の1/3に現れるので、実際、懸念材料である。パーキンソン病は、従来、安静時振戦、硬直、動作緩慢の典型的な運動症状により、典型的な運動障害と定義されているが、それは幅広い範囲の非運動症状につながる。これは、病気の初期段階で現れる。

幻覚は症状の連続と言える、通常、存在幻覚のように病気の早い段階で起こる小さな症状から、後に現れる幻覚のような、より重篤な症状までである。

そこにいないだれかを見るような複雑な幻覚は、パーキンソン病認知低下や認知症、レビー小体による認知症のような関連する神経変性疾患に関連付けられている。しかし、複雑な幻視は、通常、病気の後期に起こるので、認知低下の早期マーカーとしてのその利用を制限する。

「認知症の最初期兆候の検出は、その病気の早期管理を意味する、その病気の経過を変え、認知機能を改善しようとする改善された、個人化療法を開発できる」(Blanke)。

Bernasconiは、「われわれの狙いは、幻覚傾向に基づいて、パーキンソン病のさらなる重症型、急速な認知低下や認知症のリスクにある個人を特定するための早期マーカーを手に入れること。また、理想的には、実際に幻覚が起こる前でも、そうした個人を特定すること。したがって、われわれは、その目的で、ニューロテクノロジー法と手順を開発している」とコメントしている。