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3Dプリンティング医療デバイス市場、2028年に69億ドル

June, 22, 2023, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート「3Dプリンティング医療デバイス市場、コンポーネント(3Dプリンタ、3Dバイオプリンタ、材料、ソフトウエア、サービス)、技術(EBM, DMLS, SLS, SLA, DLP, Polyjet)、アプリケーション(手術ガイド、義肢、インプラント)、エンドユーザ&地域、2028年までのグローバル予測」によると、市場は、2022年の27億ドルから予測期間にCAGR 17.1%成長で、2028年に69億ドルに達する見込である。
3Dプリンティングは、迅速プロトタイピング、設計の反復、従来の製造工程に必要な時間とコストを削減できる。この利点は、製品設計者、エンジニア、立案者によって受け容れられており、迅速なイノベーションと新製品のTime to Marketを容易にする。3Dプリンティングにおける継続的な技術進歩が、デバイスの品質、スピード、効率を著しく改善した。材料のイノベーション、プリンティングロセス、およびソフトウエアが産業を拡大した。航空宇宙、自動車、ヘルスケア、消費材、教育を含む様々な産業が多様なアプリケーションに向けてますます3Dプリンティングを採用するようになってきている。3Dプリンティングの利点と潜在性を認識する組織が増加するにともない、3Dプリンティング機器需要が継続して拡大し、3Dプリンティングがますます多様な産業で利用しやすくなっている。

ソフトウエアとサービスコンポーネントセグメントが、2023ー2028年に高い成長率
コンポーネントセグメントでは、ソフトウエア、サービスがCAGR 17.0%成長で、21023年の15億ドルから、2028年には32億ドルに達すると予想されている。3Dプリンティング医療デバイスのサービスセグメントは、デザイン支援、プリプロセス、ポストプロセス、品質制御などのサービスを含む。ソフトウエアソリューションは、これらのワークフローの合理化、自動化のためにますます利用されるようになっている。ソフトウエアプラットフォームは、積層造形(AM)プロセス、設計から最終製造までAM全体の管理に使われ、正確さ、一貫性、トレーサビリティを保証する。3Dプリンティングにより、カスタマイズ性の高い個人化医療デバイスが可能になる。ソフトウエアセグメントは、医療イメージングデータに基づく患者に特化した設計の生成を可能にするソフトウエアソリューションを提供することで、このカスタマイゼーションを可能にする上で、重要な役割を担っている。これらのソフトウエアツールは、イメージングデータを3Dモデルに変換するのに役立つ。それは、個人化インプラント、義肢、手術ガイド作成に利用できる。

アプリケーションでは、カスタム義肢とインプラントが、予測期間に最高成長
従来の製造技術と比較して3Dプリンティングは、カスタム義肢とインプラントを高速製造する。これは、タイムリーなソリューションを必要とする患者にとって特にメリットがある。迅速な対応が重要な緊急の医療ケース、状況などである。カスタム義肢やインプラントの利用増が、患者ケア改善における3Dプリンティングや個人化医療の潜在性を実証している。患者特化ソリューション、迅速な製造、コスト効果、反復的設計プロセスを可能にし、究極的には、医療デバイス分野における患者予後を強化する。

技術では、レーザビーム溶融が予測期間に最高成長
レーザビーム溶融は、予測期間にCAGR 18.0%で成長する見込みである。これは、以下の要因による。レーザビーム溶融は、高度なカスタマイズ、患者特化の医療デバイスの製造を可能にする。それにより複雑な形状、込み入った設計を実現できる。これは特に、個人化インプラント、義肢、手術器具にとって重要である。各デバイスは、個人の患者の特殊な要求に調整可能であるので、適合性が優れており、快適で機能的である。レーザビーム溶融技術は、医療デバイス製造で高いレベルの正確さと精度を可能にする。集光レーザビームにより、溶融と固化の精密制御が可能になり、厳しい許容差と細かい部分のパーツを製造できる。このレベルの精度は、正確さと適切なフィット感が、最重要性である医療デバイスには、特に需要である。

エンドユーザでは、病院&外科センタが、予測期間に最高成長率
2023年、病院&外科センタセグメントが、3Dプリンティング医療デバイス市場の33.9%を占めた。このセグメントは、予測期間にCAGR 17.2%成長で、2023年の10億7310万ドルから、2028年には、23億7220万ドルに達する見込みである。このエンドユーザセグメントの大きなシェアは、3Dプリンティングラボ数の増加、既存3Dプリンティングラボの拡張、特定の製造機能の3Dプリンティングベンダへのアウトソース、特注/製造ソリューション需要の増加によるものである。

3Dプリンティング医療デバイス市場で北米が優勢
北米の3Dプリンティング医療デバイス市場は、2023ー2028年の予測期間に最高成長率が見込まれている。北米は、2023年、全3Dプリンティング医療デバイス市場の最大シェア、45.5%を占めた。この市場は、予測期間にCAGR 16.9%成長で2023年の12億4400万ドルから、2028年には27億2060万ドルに達する見込である。北米の大きなシェアは、北米が開発が進んで先進的ヘルスケアインフラストラクチャ、病院、クリニック、研究機関をもっているためである。このインフラストラクチャは、医療分野で3Dプリンティングのような革新的技術の採用につながっている。技術のあるヘルスケアプロフェッショナル、研究者、産業の専門家が利用できることが、3Dプリンティング医療デバイス市場の成長に貢献している。

APACは、予測期間に最高CAGR 18.5%成長が見込まれている。APAC地域では、ヘルスケア産業における3Dプリンティングに対する認識の高まり、と採用増が見られる。業界の会議、トレードショー、教育プログラムが医療デバイスの3Dプリンティング技術採用を促進している。この認識の高まりは、ヘルスケアプロバイダの間で3Dプリンティング技術の採用原動力となり、市場の成長を後押ししている。APAC地域は、ヘルスケアインフラストラクチャで大きな成長と発展を目の当たりにしてきた。中国、日本、韓国、シンガポールは、ヘルスケアファシリティ、病院、研究機関に積極投資している。この拡大するヘルスケアインフラストラクチャが、医療アプリケーションにおける3Dプリンティングのような先端技術の採用に有利な環境を提供している。