March, 7, 2018, Lyon--Holy Land Institute for the Deaf(聴覚障害者のためのHoly Land研究所)との提携を通じて、ボランティア組織3DP4MEは、中東の身体の不自由な人々に3Dプリント補聴器モールド(型)を提供しようとしている。
3DP4MEの3Dスキャニングと3Dプリンティングの組合せにより、年に数千の補聴器モールドを製造できるようになる。
補聴器は、音漏れを防ぐためにぴったりと合わなければならない。耳の型に適した製造は、従来法で確実にこれができるが、その工程は緩慢で、発展途上国では高価になることが多い。
WHOによると、補聴器を必要とする人々の3%足らずしか補聴器を持っていない。3DP4MEは、片方または両方の耳に補聴器を必要としている8,000程度の人々に12,000の補聴器を供給することで、この問題に対処することを目的にしている。
3DP4MEの工程は、クライアントの耳の3Dスキャンから始める。以前は、物理的な型をとってそれをスキャンしていたが、現在はLantos TechnologiesでDr. Brian Fligorが開発したAura 3D Ear Scanning Systemを利用する。
スキャナは10万を超えるデータポイントを取り、クライアントの耳の鼓膜まで固有の形状3D画像を作成する。クライアントの耳の3Dスキャニングのあと、デジタルファイルが生成され、Cyfexが開発したソフトウエア“Secret Ear Designer”でカスタマイズされる。このソフトウエアにより、優れたカスタマイズが可能になり、コスト削減、加工速度向上も可能になる。
最終的に、耳の型は、SLA(光造形法)を利用するASIGA PRO 2 3D Printerで3Dプリントされる。1日に、数個の耳モールドが造れるだけの従来法と比較して、3Dプリンティングは、各プリント作業で20~35の耳モールドを約1時間で作製でき、1年では数千個の耳モールドの生産が可能である。
(詳細は、http://www.3dp4me.org/)