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レーザスキャナを使いマラリア感染を数秒で検出

January, 8, 2014, Houston--ライス大学(Rice University)の研究チームは、レーザスキャナを使用し皮膚を通して数秒で低レベルのマラリア感染を正確に検出する非侵襲技術を開発した。この「ベイパーナノバブル」技術には色素や診断薬品は不要であり、血液を採取する必要もない。
先頃発表された前臨床試験によると、この技術は、1個のマラリア感染細胞でも100万の正常細胞から検出でき、擬陽性読み取りはゼロだった。
この新しい診断技術は低出力レーザを使用し、マラリア感染細胞内に微小な気相「ナノバブル」(vapor nanobubbles)を作り出す。バブルの破裂が固有の音響学的特性を持っており、これによって極めて高感度の診断ができる。
「この診断とスクリーニングは、非医療スタッフが操作でき、ローコストのバッテリ駆動ポータブル機器を採用している。1台の機器で年に最大20万人までスクリーニングでき、診断コストは推定50セントである」と、この技術の発明者、Dmitri Lapotko氏は説明している。
マラリアは、世界で最悪の致死性疾病の1つで、毎年3億人が病気に罹り、死者は60万人を超える。そのほとんどが幼児である。マラリア原虫は薬剤耐性が高くなってきており、効率の良い疫学的スクリーニングと早期の診断は、最もこの病気の影響を受ける国々では概して利用できない。
安価で迅速な診断テストは存在するが、その感度と信頼度が足りない。マラリア診断の至適基準は「血液塗抹」検査であるが、これは患者の血液サンプル、訓練を受けた検査技師、化学試薬、高品質の顕微鏡を必要とする。これらは、発展途上世界の資金が不足している病院や診療所では利用できないことが多い。
ジョン・ホプキンス大学マラリア研究所の研究者、Dr. David Sullivanは、「ベイパーナノバブル経皮検出法はマラリア診断に新たな面を加えるものであり、現場で非医療スタッフによる迅速で高スループット高感度診断とスクリーニングを可能にするものである」とコメントしている。
この経皮診断法は、光学特性とナノサイズのヘモゾイン(マラリア色素)を利用する。ヘモゾインは、赤血球内のマラリア原虫が造り出すナノ粒子であり、ヘモゾイン結晶は正常な赤血球には見つからない。
ライス大学の生物化学、細胞生物学および物理学、天文学フェロー、Lapotko氏と、筆頭共同執筆者Ekaterina Lukianova-Hleb氏は、ヘモゾインが短パルスレーザのエネルギーを吸収し、トランジアントベイパーナノバブルを造り出すことを発見した。この短命ベイパーナノバブルは、ヘモゾインナノ粒子周辺に現れ、音響学的光学的に検出される。今回の研究では、研究チームは、ナノバブルの音響学的検出により、極めて高感度にマラリアを検出できることを見いだした。
Lukianova-Hleb氏によると、ナノバブルはヘモゾインによってのみオンデマンドで生成されるので、テストが擬陽性結果となることはない。
(詳細は、 www.rice.edu)