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世界の3Dプリンティング市場、2020年に86億ドル

November, 16, 2015, Nashville--アライドマーケットリサーチの「世界3Dプリンティング-市場機会と予測、2014-2020」によると、世界の3Dプリンティング市場は、2015-2020年にCAGR 21%で成長して、2020年には86億ドルに達する見込だ。この急成長は、多様な材料を使って複雑な設計の製品をより高速に効率よく製造したいという要求が強まっていることによる。
 従来の3Dプリンティング製造技術は、自動車、航空宇宙、医療&ヘルスケア、コンシューマ製品などの分野でアプリケーションが拡大している。こうしたアプリケーションにおける3Dプリンティングの採用増加は、特殊製品製造のための精度、材料利用効率、能力の向上に補完されている。従来工程に対する3Dプリンティングの競争力、時間効率、多数の材料の同時利用が、その普及を一段と促進している。とは言え、パーソナルプリンティングの高コスト、高価なソフトウエアとチャネルパートナーの支援欠如が市場成長の制限要因ともなっている。技術の進歩と製造工程の改善によって得られる規模の経済が、市場の成長をさらに促進することになる。
 ステレオリソグラフィ(光造形法)は、予測期間を通じて3Dプリンティングの先導的技術であることは変わらず、ブロー成形、射出成形、および他の鋳造工程におけるその利用によって主に補完されている。しかし、選択的レーザ焼結や電子ビーム溶解採用増により、光造形法技術の全般的売上貢献度は予測期間を通じて下降していく。予測期間では電子ビーム溶解技術の最速成長が予測されている。これは、航空宇宙、自動車、医療および工業分野での要求が強まっているからである。
 3Dプリンティングは、アプリケーションの中でコンシューマ製品での利用が大きい。このセグメントは、2014年3Dプリンティングアプリケーション市場で約1/5のシェアを獲得した。防衛分野は、予測期間でCAGR 25.6%と最高成長率が見込まれている。これは世界中の国々が防衛分野の技術革新に積極投資しているためである。3Dプリンティングは、ジェット戦闘機や軍用航空機の設計、製造でも大きなアプリケーションを確保している。
 北米は3Dプリンティングの最大市場で、世界市場規模の約43%を形成する。しかし、2018年にはヨーロッパ市場が北米を追い抜き、世界最大の3Dプリンティング市場となる。2020年までにヨーロッパは、世界の3Dプリンティング市場の約2/5のシェアを獲得すると見られている。APAC地域は、予測期間を通じて最高CAGRが見込まれている。