誘導ラマン散乱顕微鏡により脳腫瘍手術の精度と安全性向上

October, 21, 2015, Ann Arbor--手術中に、脳腫瘍組織を正常脳と区別するのは難しい。神経外科医は、手術室で最高度の判断を行うが、腫瘍を除去する際に、その境界の場所を正確にリアルタイムで推量しなければならないことがよくある。
　今日のORで最先端のイメージング装置でさえ、まだそのプロセスを容易にすることはない。しかし新しいレーザベースの顕微鏡技術は、医師が腫瘍組織と正常脳との違いを判断するのに役立つ可能性がある。
　誘導ラマン散乱(SRS)顕微鏡が今、ミシガン大学ヘルスシステム(UMHS)でテストされている。研究者たちは、6月から60を超える患者のサンプルをSRS顕微鏡を使って撮像してきた、これはその技術の初の臨床試験。
　この技術を実験的に行っているU-M神経外科医、Daniel Orringer, MDはミシガン大学医学校と協力しており、「これにより外科医の決定プロセスは、医師の最も有利な推測の代わりにデータ駆動型になる」とコメントしている。
　SRS顕微鏡を開発したハーバード大学を含む、複数の研究機関の専門家と協働するU-M研究チームは、神経外科の患者の脳組織撮像にSRS顕微鏡を使用している。
　「他の方法では、手術室の医師には見えないような腫瘍組織をわれわれは可視化することができる」とOrringerは語っている。
　現在のテストが成功すると、その技術は2年以内に米国食品医薬品局(FDA)に提出して承認を受ける。