October, 14, 2015, Santa Cruz--カリフォルニア大学サンタクルーズ校(UC Santa Cruz)とブリガムヤング大学(BYU)の研究グループが開発した新しいチップベースのセンシング技術は、多数のバイオマーカーを迅速に検出、特定できる。
「標準的なインフルエンザテストは10程度の異なるインフルエンザ株をチェックするので、一度に10~15程度をチェックできる分析があることが重要だ。われわれは、光流体チップでそれができる全く新しい方法を示した」とUCサンタクルーズ校のオプトエレクトロニクス、Holger Schmidt教授、シニアオーサはコメントしている。
過去10年で、BYUの研究チームは、ハイエンドの研究設備なしで単一分子を光学的に検出するチップベースの技術を開発した。光流体チップベースの診断機器は、特定の病気に関連した分子やウイルス粒子の特定に、迅速、低コスト、ポータブルオプションを提供する。
新しい研究では光通信分野で用いられている波長多重(WDM)原理の適用を実証した。多数の光波長をチップ上の導波路に重ね合わせることで、交差する流体チャネルで波長依存のスポットパタンを形成することができる。蛍光マーカーでラベルを付けたウイルス粒子が、流体チャネルを通過する時に、マーカーが吸収する光波長に依存して、明確に区別できる信号を示す。
「光の各色はチャネルで異なるスポットパタンを生成する。したがって、ウイルス粒子が、例えば青色に反応するようにラベル付けされていると、チャネルを通過する際に9倍強い光を発する。赤にラベル付けされているなら、7倍強く光る」とSchmidt氏は説明している。
研究チームは、異なる蛍光マーカーでラベル付けした3つの異なるインフルエンザサブタイプを使ってそのデバイスをテストした。先ず、各ウイルス株を単一の染色でラベル付けし、混合サンプルでそれらを検出するために3波長の光を使った。次のテストでは、別の2つの株で使用した色の組合せで1つの株をラベル付けした。再度、ディテクタは、マーカーの各組合せからの明確な信号に基づいてウイルスを区別できた。この組合せアプローチは、重要である。所定の数の光波長で検出できる異なるターゲットの数が増えるからである。
これらのテストでは、個々のウイルスサブタイプは、分離して蛍光染料でラベル付けされた。実際の診断分析では、蛍光ラベル付けされた抗体を用いてインフルエンザウイルスの異なる株に明確な蛍光マーカーを選択的に付けた。
オンチップ生物分析
以前の研究では単一分子や粒子検出でSchmidt氏の光流体チップは感度を示したが、多重デモンストレーションはオンチップ生物分析に別の重要な特徴を付加している。チップベースのコンパクトな検査装置は、多様な生物粒子や分子マーカーをターゲットにする診断分析に用途の広いツールを提供できる。
光流体チップは、Schmidt氏の協力者、Aaron Hawkins氏をリーダーとするBYUの研究者が作製した。