August, 25, 2015, Washington--台湾国立交通大学の研究チームは、非常に柔軟で効率のよい白色LEDを作製した。これは、ウエアラブルディスプレイや曲面で柔軟なテレビスクリーンなどの非平坦面で利用可能性がある。
デザイン自体は新しいが、LEDは以前から存在する技術で製造できるので、プラットフォームに簡単に複製し作製できる。
「有機LED(OLED)と比べると、ローコストで寿命が長く高効率であるので、この柔軟LEDの設計は非常に魅力的である。また、この設計に関わる技術の全てが既存技術である」と同大学フォトニクス校の准教授、Chien-Chung Lin氏は話している。
研究チームの既成LEDデバイスは、2つの主要材料、ポリイミドとポリジメチルシロキサン(PDMS)からその柔軟性を得ている。それを造るために研究チームは、まずポリイミド基板を銅箔遮蔽テープで覆った。熱抵抗を減らし、従来のワイヤボンディングよりも放熱性が高いフリップチップボンディング工程で、81個の1.125×1.125㎜ LEDチップをフォイル上に逆向きに搭載した。
暖色白-黄色光を発するために研究チームは次に、黄色リン光体膜で構成される別の層を加えた。この膜は、PDMSに混合、スピンコートされ、シリコーンベース有機ポリマに広く使用されている。これを選んだのは、高い透明度、安定性、柔軟性のためである。最終的な膜サイズは5×5㎝であるが、サイズに合理的な限界はない。
研究チームは、その耐久性をテストするために、そのデバイスを標準の1000時間動作させ、その発光減衰がわずか5%であることを確認した。折り曲げテストを行い、ウエアラブルで利用できる可能性を実証した。半径1.5㎝で曲げたときも出力は変わらなかった。また、発光効率は120ルーメン/Wだった。
今後は、そのLEDデバイスの厚さを減らし、機能寿命とエネルギー効率改善に向けて研究を進める。
(詳細は、“Large-area, uniform white light LED source on a flexible substrate,” Optics Express 23, 1167-1178 (2015))