August, 12, 2015, Urbana--量子ドット(QD)が、研究室から出て、商用製品に入ってくるようになった。例えばハイエンドTVs、eリーダー、ラップトップ、一部LED照明にも採用されている。QDは、ナノサイズ半導体で、高輝度の鮮明な色を発光する。しかし、QD製造コストが高いので、製造コストを下げるとともに、パフォーマンスと効率を改善する動きがある。
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究チームは、そうした目標を達成する見込みがある成果を発表した。量子ドットから一段と効率的な偏光光を大規模に取り出す新たな方法を開発した。この方法は、QDとフォトニック結晶とを組み合わせたもので、これによってモバイル電話、タブレット、コンピュータディスプレイなどがより高輝度に効率的になり、強化版LED照明も可能になる。
ダウケミカル(Dow Chemical Company)から助成金を得て、研究チームは、強い量子効果をもつ新しいポリマ材料にQDを埋め込んだ。次に、エレクトロハイドロダイナミック(電気流体力学)ジェットプリンティング技術を使ってQD組込ポリマをフォトニック結晶構造に正確にプリントした。この精度により、製造コスト増につながる無駄なQDがなくなる。
このフォトニック結晶は、QD生成の発光の方向を制限するので、通常のQD光出力よりも強力な偏光光が生成される。
技術を実証するために研究チームは、黄色のフォトニック-結晶宇強化版QDでできた新しい1㎜デバイス(Robot Man)を作製した。そのデバイスは数千の量子ドットからなり、各々が約6nmである。
「微小デバイスを作製したが、そのプロセスは簡単に大規模で柔軟なプラスチックシートに拡大できる。われわれは、極めて精巧に設計された1つの高価なマスターモールドテンプレートを作製するが、そのテンプレートを使って迅速かつ安価に数千の複製を造ることができる」と論文の筆頭著者ECE院生、Gloria See氏は説明している。