Business/Market 詳細

韓国大法院が赤色蛍光体特許に対する米国Intematix社の上告を棄却

January, 20, 2015, 東京--三菱化学とNIMS(物質・材料研究機構)が共有する、LED用として広く用いられる赤色蛍光体に関する基本特許について、2014年6月25日付で米Intematix社が韓国大法院に提起していた審決取消訴訟の上告審において、2015年1月15日付で同院が上告を棄却し、同特許の有効性を認めた韓国特許法院の判決が確定した。
 三菱化学 (MCC)と物質・材料研究機構(NIMS)は、MCCとNIMSが共有する、LED用として広く用いられる赤色蛍光体に関する基本特許(大韓民国特許第816693号)について、2014年6月25日付で米国のIntematix Corporation(Intematix社)が韓国大法院に提起していた審決取消訴訟の上告審において、2015年1月15日付で同院が上告を棄却し、同特許の有効性を認めた韓国特許法院の判決が確定した。
 Intematix社は、2012年9月7日付で韓国特許審判院に同特許の無効審判を請求したが、2013年4月30日付にて同院はこの請求を退け「特許は有効である」との判断(請求棄却審決)を下していた。Intematix社は、この審決を不服として2013年5月30日付で韓国特許法院に審決取消訴訟を提起。2014年6月3日付にて同院はこの請求を全面的に退け、同特許の有効性を認める判断を下した。さらにIntematix社は、この判決を不服として上告。韓国大法院において上告が棄却され、同特許が無効であるとの同社主張には理由がないことが確定した。
 MCCは2011年12月20日付でIntematix 社およびその韓国での販売代理店である株式会社GVPが同特許を侵害しているとして、ソウル中央地方法院に特許侵害訴訟を提起し、2013年2月5日付にてソウル中央地方法院はIntematix 社等の製品による特許権侵害を認め、韓国への輸入および販売差し止めを命じる判決を下している。この特許侵害訴訟は現在控訴審の審理中であるが、同特許の有効性を認める判決が確定したことから、今後の同控訴審の迅速な進行が期待される。