化学療法薬、長期ガン生存者で重大な聴覚障害の可能性

July, 17, 2024, Florida--南フロリダ大学(University of South Florida)の研究者が率いる学際的研究とインディアナ大学(Indiana University)は、ガン生存者に対する最も一般的な化学療法の1つの長期的な影響に関する重要な調査結果を明らかにした。

JAMA Oncology誌に掲載されたこの研究は、シスプラチンベースの精巣腫瘍生存者のコホートを追跡した化学療法。研究チームは、患者を平均14年間追跡調査した結果、その78%は、日常のリスニング状況で重大な困難を経験しており、 ＱｏＬに影響を与える。この共同研究は、 ガン生存者における実際のリスニングの課題と難聴の進行を計測する初の調査である。

「患者の感覚障害が現実世界に及ぼす影響を理解することが重要である。それを理解できれば、より良い治療戦略を開発し、 ガン生存者の長期的な生活の質を向上させるための予防策となる」 と、著名な大学教授であり、USF医用工学科の学科長、Robert Frisinaはコメントしている。

シスプラチン(Cisplatin)は、以下のような様々なガンの化学療法に一般的に使用されている。体の部分、膀胱、肺、首、精巣。静脈内投与され、様々な影響を与える。ただし、耳は薬物をろ過し、閉じ込める能力がほとんどないため、特に脆弱。これは炎症を引き起こす。また、音のコーディングに重要な感覚細胞の破壊は、永久的な原因となる。シスプラチン治療後も徐々に悪化する可能性のある難聴は、完了する。

筆頭著者、米国フロリダ州保健局耳鼻咽喉科頭頸部外科の准教授であるVictoria Sanchezによると、既知のリスクにもかかわらず、化学療法を受けている患者の全国的な定期聴診が欠如している。「ほとんどの患者はまだ 化学療法前、化学療法中、化学療法後の聴力検査を受けていない。調査のハイライト、長期聴覚損傷を管理および軽減するための定期的な聴覚評価の必要性である」。

研究チームは、シスプラチンの高用量がより重症化し、進行することを発見した。難聴、特に高血圧などの危険因子のある患者、心血管の健康状態が悪い患者など。また、騒々しいレストランなどの一般的な環境で聴覚障害も増加した。

「これらの患者を生涯にわたって追跡することは非常に重要である。現在の年齢の中央値はわずか48歳で、最終的には加齢にともなう難聴が発症し始める年齢に入る」とDr. Lois B. Travis、Lawrence H Einhornはコメントしている。The Platinum Studyは、Dr Travisが主導し、米国国立ガン研究所が資金提供する継続的な研究活動、目的はシスプラチンで治療された精巣腫瘍生存者の研究。

「この研究は、長期的な副作用を軽減する可能性のある治療計画を腫瘍医に提供する。治療でシスプラチンの投与量やタイミングの変更などである」とFrisinaはコメントしている。

Frisinaによると、FDA承認の新注射剤「ペドマーク」などの革新的なソリューションは、小児のシスプラチン性難聴を軽減する。これは、有望な前進である。
(詳細は、https://www.usf.edu)