April, 18, 2024, Gainesville--フロリダ大学のエンジニアは、蒸気誘起相分離3Dプリンティング(VIPS-3D)と呼ばれる3Dプリンティングの方法を開発し、単一材料および多材料のオブジェクトを作成した。
フロリダ大学(University of Florida)の機械・航空宇宙工学科の教授、Yong Huang Ph.Dは、同氏とチームが開発したプリンティングプロセスにより、メーカーはカスタムメイドのオブジェクトを経済的かつ持続可能な方法で作製できると話している。この新しいアプローチは、学術誌Nature Communicationsで報告された。
「現在の同業者の技術よりも経済的で、はるかにシンプルである。これは、金属を含む先端材料をプリントするための手頃なプロセスである」(Huang)。
プロセスを理解するために、特別な環境に優しい液体を使用して3Dプリンタの「インク」を作ることを想像してみる。これらの溶解可能なポリマベースの液体は、金属またはセラミック粒子を含むことが可能である。このインクでプリントすると、非溶剤性の蒸気がプリンティング領域に放出される。この蒸気により、インクの液体部分が固化し、固体材料が残る- これを蒸気誘起相分離プロセスと言う。
Huangの説明によると、このプロセスにより、メーカーは空間的に調整可能なマルチスケール多孔性を持つマルチマテリアル部品を3Dプリントすることができ、これは、異なる場所に異なる種類の物質を持ち、様々なレベルの多孔性を持つ構造を作成することを意味する。
オブジェクトの多孔質性とは、小さな穴や隙間があることを指しており、これは、VIPS-3DPプロセス中にプリンティング条件や犠牲材料の使用量を調整することによって作製される。これは、多孔質の医療用インプラントや軽量の航空宇宙製品などの製造に役立つ。
「これは、多様なレベルの多孔質性を必要とする金属製品を作るための有望な方法である。その好例が骨組織工学だ。適切な多孔質のインプラントをプリントして、周囲のヒト細胞と確実に統合することができる」と、論文の筆頭著者、Huang研究室の元大学院生Marc Sole-Gras Ph.Dはコメントしている。
VIPS-3DPプロセスは、インフラへの投資が少なくてすむだけでなく、持続可能な材料とより少ないエネルギーを使用するため、従来のふ凜ティング方法よりも環境に優しい選択肢である。
UFライセンス技術は2つの特許を取得しており、その開発は全米科学財団やエネルギー省などの連邦機関からの資金提供によって支援された。
(詳細は、https://news.ufl.edu/)