December, 24, 2014, Egham--ガートナーの調査によると、企業や団体などの組織の60%が3Dプリンティング導入計画の遅れの主因は高い立ち上げ費用であると指摘している。とは言え、この技術の早期導入者は、多くの領域で明確なメリットを得ている、と同調査は報告している。
2014年第2四半期、企業や団体などの組織がどのように3Dプリンティング技術を使用しているか、また利用することを計画しているかを判断するために、ガートナーは世界的な調査を行った。調査参加者は、3Dプリンティングを使用しているか、導入を計画している、従業員100名以上に企業や団体などの組織に雇用されている330名。
「3Dプリンティングは、企業や早期導入コンシューマに広く支持されており、医療から航空宇宙までの幅広い製造分野ですでにこの技術は使用されているが、購入者にはコストが主要関心事となっている」と調査ディレクタ、Pete Basilliere氏は指摘している。
この調査では、プロトタイピング、製品のイノベーションと開発に3Dプリンティングは主に利用されているが、製造用途でも広範に利用されるようになってきていることも明らかになっている。
「市場は揺籃期から脱しつつある。組織が、3Dプリンティングの設計やプロトタイピング用途を超えて、最終製品の数量を短期製造する方向に動いているからだ。このような調査結果や回答を基に、2018年までにはほぼ50%のコンシューマ、重工業およびライフサイエンスメーカーが3Dプリンティングを使ってパーツを造り、それらを消費、販売、サービスに利用すると予測している」。
このように変化は進行しているが、調査回答者の53%は、3Dプリンティングの戦略推進に主要な影響力を持つのがR&Dエンジニアリングや製造マネージャであると指摘している。CIO、CTO、および運用グループの外部の者は一定の役割は果たすが、主要な政策決定者ではない。
Basilliere氏によると、3Dプリンタが既存プロセスコスト削減、特に研究や製品開発コストを削減すると捉えている回答者が多かった。「最終製品の平均的コスト削減は4.1%~4.3%の間。これは素晴らしい数字だ。この技術の早期導入者が便益を得ていることは明らかであり、このような便益が導入をさらに促進すると考えられる」と同氏はコメントしている。
3Dプリンタを選ぶとき、回答者の37%は決定の主要素として最終品の品質を挙げた。一方、28%は価格が最も重要であると感じていた。回答者のわずか9%が、製造速度、プリンタが利用できる材料の範囲、造れるパーツのサイズと言った個別カテゴリが考慮すべき最重要事項であると考えていた。
調査した中で、37 %が組織内に1台しか3Dプリンタを持っていなかった。10台以上所有していると回答したのは18%。組織あたりの平均所有数は5.4台だった。