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新しい研究、より効率的で安定した青色OLEDディスプレイへの道を開く

February, 22, 2024, Durham--ダラム大学の科学者は、長い間貧弱なエミッタと考えられていた特定の分子が、実際には次世代の青色OLEDディスプレイの効率と安定性を高めるのに理想的であることを発見した。これは、驚くべき発見である。

学術誌「Nature Photonics」に掲載されたこの研究は、省エネディスプレイ技術の大きな進歩を可能にする見込がある、見落とされていた分子の「盲点」を明らかにした。

現在、ほとんどのスマートフォンやテレビに使用されている有機発光ダイオード(OLED)は、特殊な有機分子を使用して発光する。

しかし、効率的で安定した青色有機EL発光を得ることは、研究者にとって依然として困難な課題だった。

今回、研究チームは、これまで標準以下の発光体として却下されていた分子が、青色OLEDの効率を3倍にするために使用できることを明らかにした。

ACRSAと呼ばれる分子は、増感剤から別の末端エミッタ分子にエネルギーが伝達される「高蛍光」OLEDの増感剤として使用すると、デバイス効率が10%から28%以上に向上することがわかった。

さらに驚くべきことに、緑がかった増感剤ACRSAを使用すると、ACRSAのエネルギーを青色の端子エミッタに伝達することで青色の発光を実現できる。

このグリーンからブルーへのアプローチは、直接の青色発光体と比較して励起子エネルギーを低減し、より安定で長持ちする青色OLEDを可能にする。

このチームの戦略は、安定した高効率の高蛍光OLEDディスプレイを設計するための新しい青写真を提供している。

この新しい理解は、基礎研究と実用化の両方にエキサイティングな可能性を開く。