軍事用レーザシステム産業、2028年に75億ドル

May, 10, 2023, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート｢軍事用レーザシステム市場、アプリケーション(武器、非武器)、技術(固体レーザ、ファイバレーザ、半導体レーザ、ガスレーザ、液体レーザ、自由電子レーザ)、プラットフォーム、エンドユース、出力、2028年までのグローバル予測」によると、市場は、2023年に50億ドル、予測期間にCAGR 8．7%成長で、2028年に75億ドルに達する見込である。
軍事用レーザシステム市場の成長原動力は、最新武器システムへの政府の積極投資である。レーザ技術は、軍用通信システム、指向性エネルギー武器システム、測距などで幅広く利用されている。標的の居場所を提供、軍人の保護、標的への反撃と破壊により軍事作戦の成功率を高めるためである。

プラットフォームでは、海軍が予測期間に最高CAGR成長
プラットフォームセグメントは、陸、空、海、宇宙に分けられている。海軍セグメントの成長は、領海セキュリティ強化のために船上兵器システム開発が増加していることが原因。例えば、2020年8月、Lockheed Martin Corporation (US)は、海軍力強化のために、Helios, 先進的60+ kWｰクラス高エネルギーレーザ兵器ソリューションを米国海軍に供給した。

アプリケーションでは、予測期間に兵器セグメントの最高CAGR成長が予想されている
兵器セグメントは、軍事レーザシステム市場で最高CAGR成長の見込である。このセグメントの成長は、近隣諸国との不和が増加していることが原因。この要因は、最新兵器需要の増加につながる。

兵器セグメントは、さらに致死性兵器と非致死性兵器に分類されている。致死性兵器は、陸、海、空の脅威に対抗して殺傷、破壊する能力を有する。

技術では、ファイバレーザ技術が、予測期間に最高CAGRで成長する見込である
技術セグメントは、固体レーザ、ファイバレーザ、半導体レーザ、ガスレーザ、液体レーザ、自由電子レーザに分けられている。中でもファイバレーザが、予測期間に力強い成長が予想されている。ファイバレーザは、極めてコンパクト、ロバスト、効率的、低保守、高信頼、長持ちする高エネルギーレーザである。ファイバレーザは、指向性エネルギー兵器に広く採用されている。ファイバレーザの典型的なアプリケーションには、戦術指向性エネルギーおよびパワービーミングが含まれる。電気ファイバレーザは、ハイパワー、兵器級ビームを出力するようにスペクトルを統合しており、Lockheed Martin Corporationが実証している。

地域では、北米が基準年に最大シェア
北米は、2020年、軍事レーザシステム市場で優勢だった。北米軍事レーザシステム市場の大きなシェアは、空の脅威に対する懸念の増加、レーザ兵器に関連するR&D活動への軍事支出増によるものである。米国は、2022年、北米軍事レーザシステム市場の最大シェアに貢献。同国における300+kW高エネルギーレーサ組込軍事システムの製造、テスト、デモンストレーションの増加によるものである。